ペロブスカイト太陽電池の実証実験が東京でスタート！エネルギー革命の波

フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験がスタート

三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社、三菱UFJ銀行と積水化学工業が共同で、2050年を見据えた脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出しました。本プロジェクトでは、東京・品川区の三菱UFJ銀行大井支店と神奈川県横浜市のMUFGグローバルラーニングセンターに、新たなフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、その有効性を検証する実証実験が予定されています。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池とは？

ペロブスカイト太陽電池は、近年注目を集める新しいタイプの太陽電池であり、特にその軽量かつ柔軟な構造が大きな特徴です。従来のシリコン系太陽電池に比べて、様々な環境に適応できるため、再生可能エネルギーの導入が期待されています。また、経済産業省は2040年度に20ギガワットを導入する目標を掲げており、今後の普及が見込まれています。

積水化学は、独自の製造プロセスを用いて、耐久性テストで10年をクリアし、発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実現しました。これにより、一般家庭向けの電力供給における革新が期待されています。

MUFGの環境への取り組み

MUFGは自社の温室効果ガスの排出量を2030年までにネットゼロにすることを目指しており、その一環としてこの実証実験を行います。「世界が進むチカラになる。」という企業理念のもと、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環としています。銀行内で得られた知見は、顧客への金融支援に活用される予定です。

次世代のエネルギー源

環境問題が深刻化する現代、再生可能エネルギーの需要は日々高まっています。ペロブスカイト太陽電池の大きな利点は、軽さと柔軟性だけでなく、日本が原材料の供給において有利な立場にあることです。主な原料となるヨウ素は、日本が世界シェアの約3割を占めており、安定的な供給が可能です。この特性は、経済的な安全保障にとっても重要な要素です。

課題と今後の展望

一方、ペロブスカイト太陽電池には課題も残されています。現状では寿命や耐久性に関する懸念、さらには大面積化や変換効率の向上が求められています。これらの課題を解決することができれば、シリコン系太陽電池に対抗する新たな選択肢となり得ます。積水化学は、2025年度からの実用化を目指して、さらなる研究開発を進めています。

結論

フィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入実証実験は、脱炭素社会の実現に向けた重要な取り組みです。三菱UFJ銀行と積水化学が協力することで、実証実験から得られたデータや知見が今後のエネルギー政策や技術革新に大きな影響を与えることが期待されます。この新しい技術の普及は、持続可能な未来への道を開くかもしれません。今後の展開に注目が集まる中、一刻も早く新たなエネルギーの選択肢が実用化されることを期待したいです。