2025年度新入社員の会社生活調査の結果
産業能率大学総合研究所が毎年行う「新入社員の会社生活調査」から、2025年度の結果が発表されました。この調査は1990年度から続けられ、今年で36回目を迎えます。調査対象は2025年に就職した新入社員で、有効回答数は369人でした。
年功序列志向の高まり
注目の結果として、今年度の調査では年功序列を望む新入社員の割合が56.3%に達しました。これは初めて「年功序列」を望む回答が「成果主義」を超えたことを示しています。この内訳としては、「年功序列を望む」と回答したのが14.6%、そして「どちらかといえば年功序列」としたのが41.7%。これらを合わせると、半数以上の新入社員が年功序列を支持していることが分かります。この割合は、2022年度の38.9%から着実に上昇し、2024年度には48.5%となり、2025年度にさらに増加しました。
また、終身雇用を望む割合は69.4%、同じ会社に長く勤めたいという回答も51.8%と、安定した雇用を求める傾向が強まっていることが伺えます。
成長を求める新入社員
新入社員が最も魅力を感じる働く環境については、「仕事はそこそこ大変だが、成長を実感できる環境」が58.8%を占めました。これは「仕事は楽だが成長の機会が少ない環境」とする回答よりも約28%高い結果です。安定を求めつつも、成長の機会を求める姿勢が浮き彫りになったと言えるでしょう。
上司に求める期待
新入社員が上司や先輩に期待することとしては、「実践前に詳しく教えてくれること」が66.7%と最も多く、これも前年比で増加しています。続いて「誰にでも平等に接すること」が52.0%、そして「良い仕事に対して褒めること」が49.9%と続きました。新入社員は平等に接しつつ、細かく指導し、適切なフィードバックを求めているようです。
過去最高となった調査結果
この調査では、いくつかの項目で過去最高の数値が記録されています。就職活動の満足度が「たいへん満足」と「やや満足」を合わせて96.5%に達し、「60歳以上まで会社に勤めたい」とする新入社員は86.2%に達しました。また、「ジョブ型雇用を望む」と答えた割合も27.9%と高まり、1か月の許容残業時間が1〜10時間という回答も24.1%に上昇しています。これらの数値からも、新入社員の意識や希望の変化が見て取れます。
調査概要
この調査の実施期間は2025年3月26日から4月10日まで、オンラインでの回答形式により行われました。調査対象は新入社員で、男性273人(74.0%)、女性94人(25.5%)からの回答が寄せられました。
この調査結果は今後の企業人事戦略や教育、育成方針に影響を与えるものであり、今後の動向に注目が集まります。詳細な調査結果は産業能率大学総合研究所の公式ウェブサイトで確認できます。