中古車購入時の顧客満足度調査結果とその魅力分析
東京都港区に本社を構えるJ.D. パワー ジャパンが発表した2025年の日本中古車セールス顧客満足度(UVSSI)調査の結果が注目されています。この調査は中古車購入後、2ヶ月から13ヶ月のユーザーを対象にしたもので、さまざまな要因が顧客満足度に与える影響が明らかにされています。総合満足度のスコアは683ポイントとなり、前年比で5ポイントの向上が見られました。調査を通じて、特に顧客が意識しているポイントが浮かび上がりました。
購入価格と車の状態が重要視される
調査によれば、中古車購入者が最も関心を持つ要因は「車の購入価格」で73%、次いで「車の状態」が62%という結果となりました。これらの要因は、中古車の選択に際して特に重視されることが分かります。実際に購入を検討する際には、修復歴や外装の傷、走行距離なども重要な要素となり、これらを気にかける割合が高いことが確認されています。
購入を決める際、修復歴に関して63%のユーザーが強く意識したと回答しており、外装や走行距離なども同様に重要視されています。このように、価格と状態に対する関心が特に強いことが顧客にとって重要な意思決定の要因であることが分かります。
車の魅力を伝える重要性
商談における顧客満足度においても、購入した車の「状態」が52%、価格が43%を占めており、購入時の検討要素がそのまま商談時の満足にも繋がっています。しかし、燃費や走行性能、最新技術といった機能面については、顧客に十分にアピールできていないという現状も認められました。これらの要素が満足度にどのように影響するかを理解することが、顧客の判断において重要な指針となります。
魅力が1つの場合の満足度は594ポイント、2つの場合は657ポイントですが、3つ以上の魅力点が伝わると満足度は681ポイントを超えることが分かりました。このことから、車の多面的な魅力を伝えることが顧客の不安を解消し、満足度を向上させる鍵であることが示されています。
比較検討の重要性
興味深い点は、多くの顧客が購入店以外の販売店も比較検討していることです。調査によると、約56%の顧客が購入先としてではなく、他の販売店の来店も行い、商談スペースでの具体的な説明を受ける割合が62%に達しました。このことは、他の店舗との競争が顧客の選択に大きな影響を与えていることを示しています。
中古車市場はEC化も進みつつありますが、店舗での対面サービスが主流です。そのため、店舗ごとの差別化には、車の状態や価格だけでなく、機能、性能、装備を多角的にアピールすることが不可欠です。
顧客満足度ランキング
この調査に基づく2025年の総合満足度ランキングでは、1位にBMW(758ポイント)、2位にトヨタ(716ポイント)、3位にダイハツ(715ポイント)が挙げられています。BMWは特に商談、契約手続き、納車において最高評価を獲得しました。
このように、顧客のニーズを的確に把握し、価格、状態、車の魅力を多面的に伝えることで、他のブランドとの差別化を図ることが顧客満足度の向上に繋がるのです。今後も中古車市場における顧客満足を高めるための施策が期待されます。