ビジネスマンの間で明らかになった上司への期待と組織の認識ギャップ
最近の調査によって、ビジネスパーソンの中で上司に対する憧れを抱くのはわずか13%であることが分かりました。この調査は、MENTAGRAPH株式会社が実施したもので、全国の22歳から65歳までのビジネスパーソン1,800人を対象に行われました。調査の主な目的は、管理職と非管理職の間に存在する認識ギャップを明らかにすることでした。
会社方針への理解の壁
調査の結果、管理職と非管理職の間で会社方針に対する理解が大きく異なっていることが浮き彫りになりました。管理職の約58.6%が現在の会社方針を理解していると回答したのに対し、非管理職は41.4%にとどまり、17ポイントの差があります。この意識の違いが、会社の方針に対する行動や意欲にも影響を及ぼしています。たとえば、会社方針を意識して業務に取り組んでいる管理職は43.8%ですが、非管理職は32.8%と、その差は約11ポイントです。
この背景には、非管理職が会社方針についての説明や、方針が自身の業務にどのように関連しているかの理解が不十分であることが挙げられます。その結果、非管理職は方針に納得感を持てず、行動や意欲に対して消極的になっている可能性があります。
上司への期待とサポートのすれ違い
さらに、「上司が果たすべき役割」についても、調査結果は興味深いものとなりました。管理職と非管理職の間には、上司に求める支援の内容に関して大きなギャップがあることが分かりました。非管理職の46.9%が「上司はわからないことを教えるべき」と考えているのに対し、管理職は34.9%に留まるという12ポイントの差が見受けられます。このことは、非管理職がより直接的なサポートを求めていることを示しています。
さらに、「自分に合った仕事を振るべき」という意見も、管理職48.1%に対し、非管理職は55.7%が支持しています。非管理職のほとんどが、自身に適した配慮を期待しているという結果です。
また、部下のマネジメントにおいて、管理職が重視するのは「目標設定」や「進捗管理」ですが、非管理職が求めるのは必ずしもそれらではないことが判明しました。管理職は目標設定を47.3%、進捗管理を48.1%重視している一方で、非管理職はそれぞれ31.7%、33.3%と低く、上司に期待するマネジメントのポイントに不一致があることが浮き彫りになりました。
意識ギャップを埋める重要性
この調査により、上司と部下の関係性において、単なる意識の違いだけではなく、それが生むストレスやコミュニケーションの不足が確認されました。双方が「良かれ」と思って行動しても、基本的な価値観や期待がずれていることが、職場環境に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
企業としては、このような認識ギャップを可視化し、上司と部下の期待をすり合わせる機会を設けることが、より良いマネジメント環境を作るためには不可欠です。職場の気持ちを理解し合い、協力しながら働くことが、組織全体の士気を高め、業務の効率を上げることにつながります。
MENTAGRAPH株式会社について
MENTAGRAPH株式会社は、職場におけるメンタルヘルスの改善を目指し、働く人々の心のケアを推進する企業です。「心の豊かさ」を基盤にしたサービスを提供しており、ストレスや疲労の可視化を通じて、職場の健康を守る取り組みを行っています。特に心のケア改革に注力しており、企業文化として「休憩を取ること」を自然にできる社会の実現を目指しています。