今年、北原白秋の生誕140周年を祝う特別な音楽イベントが横浜のかなっくホールで開催されます。作曲家であり打楽器奏者の會田瑞樹が手がけるこのプロジェクトは、全120篇から成る世俗歌集《北原白秋のまざあ・ぐうす》の初演です。
この世俗歌集は、大正10年に北原白秋自身が成立させたもので、日本初の「まざあ・ぐうす」として広く知られる一冊です。大正時代の豊かで温かな空気感を感じられる作品に、會田瑞樹は全楽曲に新たな作曲を施しました。特に、映像演出を担当する秋山大知氏による21世紀のテクノロジーが融合され、会場では活版印刷技術を使った美しい文字が大スクリーンに投影されます。
公演は5月10日と11日の2日間にわたって行われ、朝日新聞文化財団や野村財団からの助成を受けて実現するこのイベントは、現代音楽の新たな風を感じる貴重な機会です。今回は、特に「まざあ・ぐうす」のテーマに則り、文化の交差点としての大正時代と、多様性を受け入れる令和時代の心情の共鳴を追求しています。
會田は、音楽が持つ力によって人々を襲う厳しい社会的な問題に対して、優しさや勇気をもたらすことを願っています。新たな表現方法を通して、観客と共にこのメッセージを発信することに意義を見出し、全身全霊でこの作品に取り組んできました。
また、會田瑞樹自身の近作《囀笛(さえずりぶえ)》も注目に値します。これは4月4日に発売されたフルートのための独奏曲で、彼の音楽に対する愛情や、自然に対する眼差しが反映されています。この曲のリリースも、彼の創作活動の一環として高く評価されています。
公演では、ソプラノやテノール、各種楽器の演奏者が集い、豪華なメンバーで構成されるキャストが揃います。特に、元気で溌剌とした舞台を展開し、視覚と聴覚を共に楽しませる演出が期待されています。チケットは一般向けに3,000円で、3歳以上であれば入場可能で、未就学児は膝上観覧が無料です。
アクセスも便利で、JR東神奈川駅や京浜急行の東神奈川駅から徒歩わずか1分の距離に位置しています。音楽の力で聴く者の心をつなげるこの特別なイベントに、ぜひご参加ください。
會田瑞樹について
會田瑞樹は、1988年に宮城県仙台市で生まれた打楽器奏者であり作曲家で、数多くの新作初演に携わり「初演魔」との称号も与えられています。彼の作品は高い評価を受けており、国内外で数々の賞を受賞してきました。その音楽のスタイルは独自で、現代音楽の最前線を牽引しています。公式ウェブサイトでは、彼の活動の詳細を見ることができます。
今注目される會田瑞樹の新作が体験できるこの公演。みんなで一緒に感動を分かち合う素晴らしい機会です。