岡山大学と久米南町の地域連携事業スタート
国立大学法人岡山大学(岡山市北区)が、岡山県久米郡久米南町と共に新たな地域連携事業を開始しました。この取り組みは、地域課題の共有と共創を目指すもので、夏の終わりに行われたキックオフ会議がその第一歩となります。
会議の背景と目的
2025年7月28日、久米南町コミュニティセンターにて行われたこの意見交換会には、岡山大学からいくつかの重要な教授陣が参加しました。彼らは、環境生命自然科学学域の駄田井久准教授、大仲克俊准教授、小野千由貴助教(特任)で、加えて研究・イノベーション共創機構の今井明本部長と舩倉隆央副本部長も出席しました。久米南町側からは、片山篤町長をはじめとする地域関係者が集まり、今後の方針を確認する重要な場となりました。
この会議の目的は、岡山大学が久米南町を中心に進める「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」と公益財団法人トヨタ財団の支援を受けた地域共創型プロジェクトの始動に向けたものです。双方が地域の現状やビジョンを深く理解し、お互いに協力し合いながら進めていくための合意形成が求められました。
会議の内容と具体的な提案
会議では、舩倉副本部長が久米南町での統合的な取り組みとして、県内の大学間でのシンクタンクとアクションタンクの構築や、学生がプロトタイプを開発する事業について紹介しました。また、大仲准教授からは、トヨタ財団の助成を受けたプロジェクトの3年間の展開計画が示され、初年度の現状把握から始まり、公民連携による構想形成と事業体の実装へと進む方針が説明されました。
小野助教は、地域の食文化を活かした発酵ワークショップの実施や情報発信の戦略について提案しました。これに対し、久米南町からは住居不足や古民家の改修、農業経営に関するさまざまな課題についての意見が寄せられ、現場の実情に基づいた具体例が数多く語られました。
未来への展望
今回の会議を契機に、岡山大学と久米南町はさらに強固な連携を築くことを目指します。この新たな試みは、地域社会の未来を見据え、学術の力を地域の活性化に返す取り組みとして、大学と地域が一体となって「ありたい未来」を実現することに寄与することが期待されています。また、岡山大学の特色ある研究機関としての力をさらに引き出し、地域に貢献していく姿勢が強調されました。
このような新しい動きに、地域の皆さんにも大いに期待していただければ幸いです。岡山大学が地域のイノベーションを導く原動力として、どのように進化していくのか、今後の展開にご注目ください。