2023年3月より、新東名高速道路で行われる自動運転トラックの実証実験において、三菱重工業株式会社およびそのグループ会社である三菱重工機械システム株式会社(以下、MHI-MS)が合流支援情報提供システムを開発し、納入しました。このシステムは、自動運転トラックが高速道路における合流を安全かつスムーズに行うための重要な役割を果たします。
合流支援情報提供システムは、トンネルや登り坂などでのアクシデントを未然に防ぎ、自動運転の特性を最大限に活かすためのセンサーと通信技術を駆使したシステムです。具体的には、本線の車両走行状況を加速車線に入る前から把握できるようになっているため、トラックは合流地点における合流速度を適切に調整することが可能となります。これにより、他の車両への影響を抑えつつ、非常に安全な走行が実現されるのです。
さらに、合流支援情報はETC2.0やITS Connectといった先進的な情報サービスと連携しており、これにより非自動運転車両でも必要な情報を得られる仕組みになっています。たとえば、道路からの情報を受け取ることで、トラック以外の一般車両でも運転支援が可能になります。このようなインフラによる支援により、自動運転技術はもとより、全ての交通参加者が恩恵を受けることができるでしょう。
実証実験自体は主に深夜に行われ、自動運転車専用の走行レーンが設定されます。この過程で、MHI-MSの合流支援情報提供システムが正確に機能するかを検証するための通信確認も行われます。国は「デジタルライフライン全国総合整備計画」を策定しており、これに基づいて安全性を高め、効率的な運行が実現できるように制度を整えていく方針です。
また、将来的には、NEXCO中日本が2024年に実施予定の「路車協調実証実験」にも三菱重工グループが参加し、その成果を合流支援システムに応用する予定です。これにより、より安全で便利な次世代の電動化モビリティサービスが実現されるでしょう。
自動運転技術の進展は、クルマだけでなく、道路と車両との連携を高めることで、より良い交通環境を作り出していきます。三菱重工業は、その最前線で先進技術を駆使した取り組みを進めており、さらに多くの人々が安心して利用できる未来を目指しています。今後の成果が非常に楽しみです。