防災型水供給システム特許取得、地域密着型インフラの新未来
全国で水自動販売機と宅配水の事業を展開するウォーターポイント株式会社が、大きな一歩を踏み出しました。2026年9月1日、防災の日に東京都八王子市にある「ウォーターポイント八王子」で運用する防災型宅配水工場において、特許を取得した浄水システムの概要が発表されました。このシステムは、平常時と災害時、それぞれに対応した水供給を実現するもので、今後の地域社会における水供給のあり方に注目が集まっています。
特許取得のシステムの全貌
特許第7873838号(出願番号:特願2022-019650)に関連するこの浄水システムは、平常時と災害時で使用する技術や設備を効果的に切り替えることが特徴です。通常時には、逆浸透膜(RO膜)を2段階で運用して高品質な宅配水を製造。その水は、地域の地下水を原水とし、微細な不純物を高い精度で取り除くことで、安心して飲むことができる製品を提供しています。また、製造される「ウォーターポイント・ミネラルピュアウォーター」は、PFASを含む水質基準45項目において不検出を達成しています。
一方、災害が発生した場合には、井戸を代替水源とし、太陽光発電や蓄電設備などの代替電源を使用して逆浸透膜を1段階で運用します。これによって、限られた電力の下でも地域住民に対し、安全で必要な水を供給し続けることが可能になります。
平時の事業が災害時をサポートする
ウォーターポイント八王子では、平常時から宅配水の製造と販売を行い、売上が設備の維持と運営に活かされています。これにより、災害時にも安定した供給ができる体制が整っています。平常時に運用される高品質な製品と、その品質管理が、非常時に遅延なく水供給を行うための基盤となっているのです。
具体的には、平常時には2段階の逆浸透膜を通した水を提供し、災害時には1段階に切り替えたプロセスで、よりシンプルな操作によって安定した水供給を目指します。この平常からの利用が、いざという時に役立つのです。
地域との連携の重要性
さらに、八王子市とは「災害時における生活用水の提供に関する協定」を締結しており、地域のニーズに密着した形での水供給が可能です。災害発生時には、最大20トンの飲料水と生活用水の供給が想定されており、約2,000人分の水を支える拠点として機能することを目指しています。
今後の展開を見据えて
ウォーターポイント株式会社はこの技術を全国的に広め、各地域に小規模で分散型の水供給システムを展開していく方針です。地域の地下水や再生可能エネルギーを組み合わせることで、大規模な浄水場や長距離輸送に依存しない持続可能な水インフラの構築を目指しています。
代表取締役社長の小早川克史氏は、「今後、全国に分散型水インフラを広げていく上で、平常時に使われ、いざというときに動く仕組みが重要だ」と強調しています。このフェーズフリーな水供給モデルは、地域を主体にした新しい水の供給システムとして、大きく飛躍する可能性を秘めています。今後の展開にも期待が高まります。