管理職を廃止し、自律的に動く組織の実現
株式会社ネットプロテクションズが新刊『管理職を全廃しました──社員全員が自走するティール型組織』を2025年11月12日に出版します。本書では、企業が直面する管理職への依存から脱却し、自律分散型組織へと進化するための実践例や仕組みが詳しく紹介されています。
著者の決断と背景
著者である代表取締役社長の柴田 紳氏は、商社時代からの経験を背景に、「なぜ社員は自走しないのか」という疑問に取り組む中で全ての管理職ポジションを2012年に廃止しました。指示待ちの文化から脱却し、フラットな組織づくりを進めることにしました。このような大胆な決断は、ただの思いつきではなく、社内の対話や意見を重ねた結果生まれたものです。
変革のシステム「Natura」
管理職の廃止に伴い、会社は独自に開発した評価・運営システム「Natura」を導入しました。このシステムは、信頼と対話を基盤にし、個々の意志に基づく役割の選択を可能にします。上下関係ではなく、プロジェクトを通じて対話と協働を促進し、意思決定の透明性を向上させる仕組みが構築されています。社員が自らの意志で働くことの重要性を再認識させるこのアプローチは、組織の生産性を高め、社員の心の安全性を守る要素となっています。
結果と成果
10年以上続けられてきたこの実践により、指示待ち文化が根絶され、意思決定のスピードが飛躍的に向上しました。また、若手社員に多くの挑戦の機会が与えられ、新規事業の創出も活性化しています。エンゲージメントスコアも高い水準を保ち続けており、社員が自発的に協働することで、事業のスピードと心の余裕が両立されているのです。
管理職のない運営の可能性
本書では、実際の企業運営の中での失敗や成功のエピソードを通じて、制度設計、文化の醸成、意思決定プロセスなどを詳しく解説しています。「社長が“何もしない”でいること、それが最高のマネジメント」という逆説的な考え方のもと、蓄積された知見を余すことなく提示しています。
柴田氏のメッセージ
柴田氏は、この書籍を通じて、管理職を廃止すること自体が目的ではないと強調します。彼の真の目標は、全ての社員が自律的に動き、フロー状態で仕事をできる仕組みを整え、信頼に基づく組織を作り上げることです。企業は人が最も生き生きと働くための場であるべきだという理念を持つ彼は、組織運営に悩むリーダーやチームに向けて、少しでも役立つヒントを提供したいと考えています。
今後の展望
今後、ネットプロテクションズは成長を続けると共に、社員自らの意思で動ける組織をさらに広めていくことを目指しています。本書を通じて、次世代の日本企業の「当たり前」となるように挑戦し続ける姿勢が表れています。
書籍情報
- - 書名: 『管理職を全廃しました──社員全員が自走するティール型組織』
- - 著者: 柴田 紳
- - 出版社: ダイヤモンド社
- - 発売日: 2025年11月12日
- - 定価: 1,980円(税込)
この本が、一歩踏み出す勇気を与えてくれることでしょう。