新学期に際する教育機関へのサイバー攻撃
新学期の始まりと共に、教育機関はサイバー攻撃の脅威にさらされています。チェック・ポイント・リサーチによると、2025年の1月から7月の期間において、教育・研究分野は依然としてサイバー攻撃の主要な標的となっており、1組織あたりの攻撃件数は週平均4,356件に達しています。この数値は前年に比べて41%も増加しており、この業界が直面している危機的状況を物語っています。
教育・研究分野が狙われる理由
教育機関は、多様なユーザーベースと卓越した機密性のある情報を保有しているため、サイバー犯罪者にとって魅力的なターゲットとなっています。学生や職員、卒業生、さらには保護者がアクセスするデータは非常に価値が高いです。さらに、ITおよびサイバーセキュリティに関する予算の制約も、教育機関の脆弱性を増しています。
グローバルな攻撃の様子
攻撃の規模は世界全体に広がっており、特にアジア太平洋地域(APAC)における組織は週平均7,869件の攻撃を受けています。また、北米では前年比67%の急増が報告されています。国別では、香港の攻撃件数は5,399件と前年比210%の増加、イタリアでも8,593件と前年比82%増加といった状況です。これにより、教育機関への攻撃の増加は、世界的規模で進行していることが明らかになりました。
新学期のフィッシング脅威
新学期にかかわるデジタル活動が盛んになるにつれて、サイバー犯罪者はフィッシング攻撃を活発化させています。2025年7月の1ヶ月間で、チェック・ポイントが確認した新規ドメインの中には、教育機関に関連するものが多く、攻撃者の狙い目となっていることが分かりました。中には、偽の大学ログインページや支払い更新詐欺が存在し、学校や大学の名前を用いてフィッシングメールを送りつける手法が見受けられます。
教育機関の防衛策
教育機関が新学期におけるサイバー攻撃から身を守るためには、いくつかの対策を講じることが推奨されます。まず、職員や学生に対して最新の詐欺事例を用いてフィッシング対策の意識を向上させることが重要です。また、多要素認証(MFA)の強化が必要不可欠です。MFAを導入し、定期的にシステム更新を行うことで、脅威に対する防御を強化することが求められます。新規のドメイン監視や悪意のあるメールの事前ブロックも、効果的な防衛策と言えるでしょう。
まとめ
新学期の開始とともに教育・研究分野はサイバー攻撃の最前線にいます。前年よりも40%以上も増加している攻撃を受け、教育機関は危険にさらされています。そのため、積極的な防御策の実施が求められ、学生や職員の安全を確保するためには、サイバーセキュリティ意識の向上と多層防御が不可欠です。これらの防衛策を適切に実施し、教育機関を守るために取り組んでいくことが必要です。