新データベースHADB
2025-10-01 18:26:31

企業のデータ利活用を支える最新のデータベースエンジン『HADB』

多様なデータ活用を目指すHADB最新版の登場



企業でのデータ活用がますます重要視される中、株式会社日立製作所は、データレイクハウス向けに進化した超高速データベースエンジン『Hitachi Advanced Database』(HADB)の最新版、Version 6を10月1日から提供開始すると発表しました。この新バージョンは、SQLによる柔軟かつ高速なデータ検索を実現し、データ分析の効率化を図ります。

HADBの特長


HADBは、データレイクとして広く利用されるAmazon S3などのオブジェクトストレージにおけるデータに対し、SQLで直接検索が可能になるという大きな特長を持っています。この機能により、データ分析担当者はデータを事前に加工したり、HADBに取り込む必要がなく、スムーズに横断的なデータ検索と分析が行えるようになります。

例えば、企業が新しいサービスを創出するためにさまざまなデータを組み合わせて分析する際、HADBを通じて必要な情報を迅速に取得することができます。これにより、サービスや取引履歴の分析業務が大幅に効率化され、さらには生成AIの学習データ準備も迅速に行えるようになります。

高速化の実現


HADBは、一般的にデータの読み出し速度が遅いオブジェクトストレージの弱点を克服するために、非順序型実行原理に基づく並列処理機能を備えています。この技術によって、データウェアハウスと同水準の高速検索が可能となり、データ保管にかかるコストを抑えつつも、スピーディなデータ分析を実現することができます。

さらに、HADB最新版には定額制の新ライセンスが登場しました。これにより、データレイク上のデータに対し容量制限なく定額で検索できるため、企業はデータ保管にかかるコストを最適化することが可能になります。

将来への展望


日立は、2025年度中にHADBに適したAmazon S3互換のオブジェクトストレージ『Hitachi Virtual Storage Platform One Object』を提供する予定です。これにより、HADBのオンプレミス向けデータレイクソリューションを強化し、データレイクの検索機能をさらに高めていく考えです。

また、今後のAI技術の進化に伴い、ベクトルデータやグラフ構造など、データの意味や属性を考慮した類似検索技術の実現に向けて、HADBの機能改善も計画しています。これにより、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に貢献できるでしょう。

HADB活用の具体例


HADBは多様な場面で活用されていますが、その一例としてサービスや商品の履歴データや購買データの分析が挙げられます。これにより、企業は顧客の傾向を把握しやすくなり、過去のデータとの比較が容易になることで、戦略的な意思決定をサポートします。

また、生成AIの学習データとして利用する場合、HADBはデータレイクから直接必要な情報を取り出し、素早くParquet形式として出力できるため、多くの生成AIがそのまま学習できる環境を整えます。これにより、品質を左右するデータ量を迅速に準備し、背景情報を提供することで生成AIの効果的な活用を後押しします。

結論


株式会社日立製作所が発表した新しい『Hitachi Advanced Database』は、データ活用のスピードと効率を高めるための強力なツールとして、多くの企業に対応しています。デジタル化が進む中で求められるデータリソースの最適化と分析能力の向上は、今後もHADBによってより一層実現されていくことでしょう。企業の革新を支えるこの技術は、今後のビジネスシーンにおいて重要な役割を果たしていくと期待されています。


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