大阪・関西万博に参加する医療的ケア児支援プロジェクト
大阪・関西万博では、未来社会を見据えた様々な取り組みが行われています。その中で特に注目を集めているのが、日本山村硝子株式会社の「医療的ケア児や噛み込みに課題を持つ障がい児のための食事と投薬時のお困りごと解決プロジェクト」です。このプロジェクトは、最大限の支援を必要とする子どもたちとその家族を支えようとするもので、多くの期待が寄せられています。
共創チャレンジの概要と内容
日本山村硝子は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が主催する「TEAM EXPO 2025」プログラムにこのプロジェクトを登録しました。目的は、医療的ケアが日常的に必要な子どもたちが、食事や投薬の際に直面する問題を解決することです。この一環として開発されている製品には、嚥下(えんか)を助けるための「ぴったりトロミがつくカップ」と、薬の計量を簡単に行える「シロップぴったりシロピィ」があります。
「ぴったりトロミがつくカップ」は、手軽に均一なとろみを作ることができ、飲み込みの難しい患者に対して誤嚥のリスクを減少させることを目的としています。
一方で「シロップぴったりシロピィ」は、子ども向けの薬を正確に計量するためのツールで、投薬がスムーズに行えるように設計されています。これらの製品は、医療的ケア児やその家族からの「こんなものがあったらいいのに」という声を基にして開発が進められており、今後の製品改良にもつながっていくことでしょう。
プロジェクトの必要リソース
このプロジェクトでは、特に以下のような支援が求められています。
- - 実際に利用する病院や福祉施設:製品の導入や使用状況に関する貴重なフィードバックを得るために必要です。
- - お困りごとを抱える団体:製品を実際に使用しているご家族の声を直接聴くことは、開発の重要な要素です。
- - ECサイトや病院内施設:販売と普及のための重要なチャネルとなります。
共創による新たな価値の創造
プロジェクトに参加することで、実際に困っている方々とつながり、解決に向けたアイデア交換が可能になります。現場のニーズを生かし、新製品の開発への道筋が見えてくるのです。これにより、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にも貢献し、より良い社会の一助となることが期待されています。
医療的ケア児とその家族の現状
現在、日本全国には約2万人もの医療的ケア児が存在し、その数は増加の一途をたどっています。特にこの20年間で約2倍に増加したと言われており、厚生労働省のデータでも確認されています。このような背景から、医療的ケア児やその家族が抱える問題を把握し、具体的な解決策を見つけることが急務です。
新たな挑戦と取り組み
また、株式会社NEWSTAが運営する「ファミケア」では、疾患を持つ子どもたちとその家族の「楽しい!」を生み出す取り組みを行っています。新たなアンケート調査を通じて、食事や投薬時の困りごとを明らかにし、製品の開発に活かす動きも進めています。
まとめ
大阪・関西万博でのこのようなプロジェクトは、医療的ケア児のより良い未来を築くための重要なステップとなります。多くの人々とつながり、理解を深めながら進めていくことで、医療的ケア児とその家族が抱える様々な問題に、少しでも良い方向に進む助けとなることを願っています。具体的なファーマキットの開発を進め、未来の医療社会の形成に寄与したいと考えております。