みずほフィナンシャルグループが選んだ新たなAI開発戦略
みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)が、社内AI開発を加速させるためにWeights & Biases Japan株式会社(以下、W&B Japan)のML Opsプラットフォーム「W&B Models」を導入することが発表されました。この取り組みは、金融業界における生成AIの活用を一層進めることを目的としています。
導入の背景と目的
みずほFGは、社内業務の効率化を図り、新たな顧客価値を提供するべく、生成AI技術の導入を進めてきました。その中で、モデルのファインチューニングや品質評価において強固な基盤が必要であると認識し、W&Bの採用に至りました。W&B Modelsは、コーディングに最小限の手間をかけるだけで、実験の記録や性能評価を行うことができ、GPUリソースの可視化も実現します。これにより、みずほFGの開発チームは、高品質なモデルを効果的に生産し、業務に迅速に活用することが期待されています。
Proof-of-Valueプロジェクトの成果
今回の導入に際し、W&B Japan、みずほFG、日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)との協業で行われたProof-of-Value(PoV)プロジェクトは、2ヶ月に渡り実施されました。以下は、その際に確認された主な成果です。
1. セキュリティの向上
シングルテナント構築により、セキュアな環境が整備され、独立した環境でのデータセキュリティを確保することが可能となりました。これにより、機密情報の扱いも安全に行えるようになります。
2. 簡易な導入
学習コードに「report_to=wandb」という一行を追加するだけでログの出力が可能になり、Transformersライブラリなどでの導入が容易であることが確認されました。これまでの導入プロセスが一変します。
3. 効率的な学習試行
リアルタイムで学習メトリクスを可視化し、チームでの実験考察や次のステップ計画の効率化を達成しました。また、不具合が発生した際には、エラー通知やチェックポイントからの再開も簡単に行えます。
関係者によるコメント
みずほFGの藤井達人執行役員は「生成AIを使用した社内ドキュメントの検索や、高度な業務を支えるAIエージェントの開発において、W&B Modelsは非常に優れた機能を発揮しています」と述べ、今後の発展に期待を寄せています。
日鉄ソリューションズの担当者は「今回みずほFG様の変革に関与することができて、非常に意義深い」と語り、引き続きW&B Japanと協力して革新を進める意向を示しています。
W&B JapanのSeann Gardiner氏は「金融機関におけるAIモデルの導入が活発になるなかで、W&B Modelsはファインチューニングを通じて高品質なアウトプットを得るための支援を行い、開発をスピードアップさせる」と述べ、現在のニーズに対応した製品の重要性を強調しました。
Weights & Biases Japan株式会社とは
Weights & Biases Japan株式会社は、エンタープライズ向けのML実験管理及びMLOpsワークフローを提供する日本法人です。広範な深層学習ユースケースに対応し、国内外で多くの機械学習開発者に信頼されています。NVIDIAやOpenAI、高齢化社会での課題解決に取り組む企業とともに、最先端の技術を駆使しています。
W&B社の日本語ウェブサイトでは、さらに詳しい情報を得ることができます。