新たな次元の移動を実現するアクティブキャスタPalGo™
2025年12月、東京ビッグサイトで開催される国際ロボット展(iREX2025)において、日本精工株式会社(NSK)と株式会社人機一体が共同開発した『アクティブキャスタPalGo™ 高荷重タイプ』が世界初出展されます。これは、次世代の物流や搬送を一変させる可能性を秘めた革新的な製品です。
共同開発の背景
NSKは長年にわたり、自動車部品や精密機器の開発を行ってきた企業であり、特に軸受(ベアリング)の分野では世界的に知られる存在です。一方、人機一体は、人と機械の調和を重視した製品開発を進めています。両者の技術的なアプローチが融合した結果、重量物の搬送と全方向移動機能を兼ね備えた『PalGo 高荷重タイプ』が誕生しました。
PalGoの特長
この『PalGo 高荷重タイプ』は、NSKが開発したアクティブキャスタシリーズを基にしています。特徴的なのは、2基のモーターが搭載されており、これにより差動機構による駆動及び旋回が可能です。結果として、前後左右だけでなく、回転まで含む全方向移動が実現されています。
車輪径: 250 mmφ
垂直耐荷重: 1,100 kgf(1輪あたり)
*
最大駆動トルク: 130 Nm(車輪)、178 Nm(旋回)(1輪あたり)
これにより、従来のフォークリフトでは難しいとされる狭所での重量物運搬を可能にしています。さらに、この技術は現在開発中の「人機カート ver.3.0」へも搭載されています。
iREX2025での展示内容
iREX2025では、NSKと人機一体はそれぞれブースを設け、連携した展示を行います。NSKのブースでは、実際に動作するプロトタイプ及びデザインマネジメントを手がける根津孝太氏によるモックアップが展示され、統合的に「力の流れ」を表現します。また、人機一体のブースでは『PalGo 高荷重タイプ』を搭載した人機カート ver.3.0が初披露され、実演と解説が行われます。
特別企画
両社によるトークセッションとデモンストレーション付きのガイドツアーも予定しています。日時は12月3日と6日、いずれも30分程度の内容で、参加は無料ですが、事前予約は不要です。こうした取り組みは、物流業界の未来を見据えた重要な一歩となるでしょう。
今後の展望
人機一体は、狭小環境での重量物ハンドリングを実現するために、今後も人機カートの実証試験を重ね、実用化へ向けた道を進んでいきます。NSKも、『アクティブキャスタPalGo™ 高荷重タイプ』の量産へ向けての活動をさらに強化し、ロボット業界全体の進化を進めていく所存です。
新たな技術が生み出されたこの瞬間から、物流の未来が一変する可能性を秘めています。私たちが目にするこの革新が、どのように社会に影響を与えていくのか、iREX2025での出展を楽しみにしている人も多いことでしょう。