チーズと認知症リスク
2025-12-17 14:10:48

チーズの摂取が高齢者の認知症リスク低下に寄与する可能性が示された新研究

チーズの摂取と認知症リスク



最近の研究によると、高齢者が日常的にチーズを摂取することで認知症の発症リスクが低下することが確認されました。この研究は、株式会社明治と公立大学法人新見公立大学が共同で行ったもので、3年間にわたる追跡調査データを利用して分析されました。また、その成果は国際的な科学雑誌『Nutrients』に掲載されています。

研究の背景と目的


この研究の背景には、日本が直面する超高齢社会の問題があります。認知症は高齢者にとって大きな健康リスクであり、その予防や治療に向けた研究は重要な課題です。これまでにも、乳製品と認知機能の関連性について多くの報告がありましたが、特にチーズに着目した研究は限られていました。そこで、日本における高齢者の食習慣や遺伝的背景を考慮しつつ、チーズの摂取と認知機能の関連について調査することが目指されました。

研究方法


本研究では、日本全国の65歳以上の高齢者を対象に、郵送によるアンケート調査が実施されました。その結果、26,408名の有効回答が得られました。さらに、介護保険認定データなどとの連携を通じて、認知症の発症状況が把握できる13,759名が研究の対象となりました。調査の結果、日常的にチーズを摂取している高齢者は、認知症の発症が有意に低いことが分かりました。

研究結果


具体的には、3年間の追跡期間において、チーズを摂取していた134名(3.39%)が認知症を発症したのに対し、チーズを摂取していなかった176名(4.45%)が認知症を発症しました。この結果から、チーズを日常的に摂取することによって、認知症発症リスクが抑えられる可能性が示唆されています。さらに、肉・魚や野菜・果物の摂取といった他の要因を調整しても、チーズの摂取が影響を与えるとの結果が得られました。

健康寿命を延ばす期待


この研究の意義は、ただ認知症のリスク低下を示すだけでなく、健康寿命の延長にも寄与する可能性があるという点です。日本の高齢者を対象とした追跡研究として、チーズの摂取が認知機能を維持し、より良い生活を送る手助けになることが期待されます。今後は、さらにチーズの種類や、その摂取方法についても検討し、具体的な健康促進活動に結びつけていく必要があります。

まとめ


高齢者の健康問題が多く取り上げられる中、チーズの摂取が認知症リスクを低下させる可能性が確認されたことは、非常に喜ばしいニュースです。今回の研究成果を踏まえて、今後も食生活における乳製品の重要性がより一層認識され、多くの高齢者が健康で充実した生活を送れるようになることを切に願っています。


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