コンビニ業界初の試み、オンライン手話通訳サービスを導入
ファミリーマートは、2025年11月に東京で開催される「デフリンピック」に向けて、オンライン手話通訳サービス「ミライロ・コネクト」を導入することを発表しました。これにより、聴覚に障がいのあるお客様がより快適に店舗を利用できる環境が整います。このサービスは、従来の指差しシートやコミュニケーションボードに加え、手話を通じてリアルタイムのコミュニケーションを可能にするもので、全国のファミリーマート48店舗で提供される予定です。
導入背景と目的
ファミリーマートは、すべてのお客様に安心して利用していただける店舗を目指して、過去にも様々な取り組みを行ってきました。2022年から進めている指差しシートやコミュニケーションボードの設置など、聴覚や言語に障がいのある方への配慮がその一環です。
2025年に開かれる「デフリンピック」は、社会全体が多様性への理解を深める重要なイベントです。この機会を通じて、さらに一歩踏み込んだサポートの提供を行うことが、ファミリーマートの新たな目標となっています。
オンライン手話通訳サービスの仕組み
この新サービスは、特別なアプリのインストールが不要で、店舗内に設置された二次元コードをスマートフォンで読み取るだけで手話通訳者に接続できるというシンプルな仕組みです。お客様は手話で意思を伝え、ストアスタッフは音声で応じることで、スムーズなコミュニケーションが実現します。これは、特に面倒な手続きや操作が多いコンビニでのチケット購入やATM利用時にも非常に有効です。
サービス利用の流れ
1. 店内に設置されたPOPのQRコードをスマートフォンで読み取る。
2. 表示された画面にユーザー名または店舗名を入力し、呼び出しボタンをタップ。
3. 手話通訳者と連携し、コミュニケーションが開始される。
スタッフの支援向上に向けた取り組み
サービス導入にあたり、ファミリーマートではストアスタッフを対象に手話講習会を開催しています。手話検定を持つ社員が監修したこの研修により、スタッフ各自が手話を学び、スキルを向上させています。また、ユニバーサルマナーBOOKを全店に配信し、接客品質の向上を図ります。これにより、全てのスタッフが多様なお客様に対する理解を深めることが期待されています。
期待される影響と展望
ミライロの代表、垣内俊哉氏は、「デフリンピック」を機に、障がい者への配慮が法的義務化される中で、ファミリーマートの取り組みが多くの聴覚障がい者の安心につながると語っています。このようなサービスの導入は、ただの小売店にとどまらず、地域に必要なインフラとしての役割を果たすことができるでしょう。
また、一般財団法人全日本ろうあ連盟の山根昭治氏も、身近なコンビニでの手話サポートがもたらす意義を強調しています。手話言語を第一言語とする方々にとって、この取り組みが弾みとなり、共生社会の実現に寄与することを願っています。
まとめ
ファミリーマートのオンライン手話通訳サービス導入は、ただ買い物をする場所を提供するだけでなく、すべての方にとって使いやすい店舗作りの一環です。東京の「デフリンピック」を前に、この新たな試みに期待が寄せられています。ファミリーマートでは今後も、すべてのお客様が安心して利用できる環境作りを続けていく方針です。