フィリピンにダイナミックポジショニング訓練施設が新設される
株式会社商船三井は、グループ会社の商船三井マリテックス株式会社(MOLMAT)を通じて、フィリピンにダイナミックポジショニング(DP)訓練施設を設立すると発表しました。この施設は、フィリピンのアジア太平洋海事アカデミー(MAAP)及びMagsaysay Training Center(MTC)と連携し、洋上風力発電や海洋開発に必要なスキルを身につけた船員・技術者を育成することを目的としています。 設立に先立ち、2023年7月29日には、バターン州マリヴェレスにあるMAAPのキャンパスで合意書が締結されました。初回のトレーニングコースは9月1日に開始予定です。
DP訓練施設の特徴
施設では、商船三井グループが運航する特殊船に搭載されているDPシミュレータを使用し、実船と同様の環境下で訓練を受けることができます。受講者は、全6コースに分かれたプログラムを通じて、DP技術や海事分野において必要な専門知識を学ぶことができ、The Nautical Instituteの認定を受けています。
アジアにおけるDPオペレーターの需要
近年、アジア全体でDPオペレーターの需要が高まっている中で、フィリピンを含むアジアの船員や技術者に必要なスキルを提供することは重要な課題です。この取り組みを通じて、フィリピンの海事産業の発展に寄与し、即戦力となる優秀な船員を育成することを目指します。また、国際社会における人材ニーズにも応えていく方針です。
安全運航と地域社会への貢献
当社グループは、引き続きフィリピン人船員の育成に努め、世界の航海での安全運航を支える優れた船員の育成を目指します。その一環として、サステナビリティに関わる「人の活躍と地域社会の発展」へも寄与し、船員育成や雇用創出を通じて地域に根ざした企業活動を進めます。安全で信頼されるオペレーションを支えることで、社会インフラ事業を担う責任ある企業としての役割を果たしていきます。
まとめ
今回のダイナミックポジショニング訓練施設の設立は、フィリピンの海事産業に新たな可能性をもたらします。商船三井は、専門的な技術と知識を持つ人材を育成することで、洋上再生可能エネルギーや海洋開発の分野で必要とされる条件を満たし、地域社会の発展にも寄与していく所存です。未来の船員たちが、安全で効率的な海上運航を実現する手助けをするこの施設に、期待が高まります。