故人との新しい旅立ちを彩る海洋散骨サービスの拡大トレンド
近年、故人を海に還す「海洋散骨」の需要が大きく伸びており、その背景にはさまざまな家族の想いが込められています。特に「海洋記念葬®シーセレモニー」を運営する株式会社SPICE SERVEは、発表した最新の実績において、近年の散骨件数が急増していることを明らかにしました。
死後の新しい供養のスタイル
2019年よりサービスを始めた「シーセレモニー」は、東京湾や横浜、相模湾を舞台に海洋散骨サービスを展開しており、様々な海域で故人を見送ることが可能です。2024年7月から2025年6月までの間に実施された散骨件数は1,420件。これは2020年を基準にすると約11.8倍の増加を記録しています。
このサービスが支持を受けている理由は、まさに「故人様の旅立ちを大切な記念日に」というコンセプトにあります。この新しい形の供養は、家族が直接故人を見送ることができる特別な時間を提供し、感動的な体験として多くの遺族から喜ばれています。
複数の故人を一緒に供養するニーズ
特に目立つのは、複数の故人を同時に散骨するケースが前年に比べて3.3倍に増加したという点です。昨年は69件だったものが、今年は228件に達しました。この背景には、墓じまいといった新たな家族の選択が影響しているとされています。多くの家族が「一緒に旅立たせたい」という気持ちを抱き、両親や夫婦など、親族全員の遺骨をまとめて海に還すケースが増えています。
海の上での思い出を作る「乗船散骨」
シーセレモニーの提供する「ファミリー散骨」は、家族葬や直葬といった小規模葬儀の中で、家族が付き添いながら直接故人を見送る場を設けることができるため、特に人気があります。全体の約60.6%が「乗船散骨」を選んでおり、こうした供養は「心に残る記念日」として、多くの家族にとって特別な瞬間となっています。
実際、2024年7月から2025年6月にかけての乗船人数は3,500人を超える見込みで、これは「自らの手で故人を見送りたい」という遺族の思いに応える結果とも言えるでしょう。
前向きな選択肢としての「リゾート散骨」
また、新たに登場した「リゾート散骨™」サービスも好評を得ており、ハワイやグアムなど海外での散骨を行うことができる選択肢が広がっています。これは単にお墓を持たないからや費用を抑えたいという理由だけでなく、「故人の希望だから」「この海で供養したい」といった前向きな理由から選ばれることが増えています。これにより、レジャーと供養を両立する新たなトレンドが生まれつつあります。
結論
今後も家族の願いを反映した多様な供養の形が増えていく中で、シーセレモニーの海洋散骨は、故人との新たな旅立ちを彩る重要な存在となるでしょう。その成長は単なる数字の増加にとどまらず、供養の新しいスタイルを提示するものとして、私たちの心に強く響き続けることが期待されます。