2024年「ATP経営情報アンケート」発表、テレビ製作業界の厳しい現状を確認
ATP経営情報アンケート結果の概要
一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)は、2024年10月に「経営情報アンケート」の結果を発表しました。本調査は、テレビ制作会社の現状を探るもので、製作業界の課題を明らかにする目的があります。昨年度の売上高は前年と比べて横ばいでしたが、営業利益および経常利益が全体平均で10%以上の減少を見せました。これにより、製作会社が直面する厳しい経営環境が浮き彫りになりました。
外部スタッフ活用とコスト削減
調査の結果、製作会社は外部スタッフの活用や固定費削減に取り組んでいることが分かりました。しかし、制作費の適正な価格転嫁が未だに進んでおらず、これが業界の持続可能性に影響を与えています。このような背景の中、製作会社を取り巻く経営環境は一層厳しさを増すことが示されています。さらに、労働環境の改善が一部で見られるものの、依然として多くの課題が存在しているのが現実です。
研究会の発足と調査の意義
今回の調査は、ATPが新たに発足した「テレビ番組製作会社経営情報調査研究会」によって実施されました。この研究会は、座長の伊藤慎一氏の指導の下、厳しい製作会社の経営状態を客観的に分析することを目的としています。経営情報アンケートは、2012年度から始まっており、過去にはATP独自の調査が行われてきましたが、今年度からは外部の専門家を交えた統計的な分析も取り入れ、調査結果の信頼性をさらに向上させています。
調査の概要と結果
調査は2024年9月20日から10月4日まで行われ、対象はATPの正会員社120社のうち93社(回答率77.5%)が参加しました。これにより、業界内での経営状況の実態を把握することができました。調査結果をまとめた資料は、特設サイトにて4月1日に公開予定です。詳細は、ATPの公式ウェブサイトにアクセスしてご確認いただけます。
結論
全日本テレビ番組製作社連盟が発表した経営情報アンケートの結果は、テレビ制作業界が直面している多くの課題を浮き彫りにしました。業界全体の持続可能性を確保するには、今後の改革が求められるでしょう。テレビ制作に携わる全ての関係者が協力し、業界の活性化に向けて努力していくことが重要です。経営環境が厳しい中でも、質の高いコンテンツを提供し続けるための方法を模索していく必要があります。