賃上げの期待と転職意向 - ワークポートの調査結果
2026年春の賃上げ交渉が盛り上がりを見せている中、株式会社ワークポートによる調査結果が発表されました。この調査では、全国のビジネスパーソン442人を対象に賃上げと転職意向の関係が明らかにされています。多くの働き手が今春の賃上げに期待を寄せているものの、実際のところは複雑な状況にあるようです。
賃上げが実質的な生活向上につながっていない現実
今回の調査によると、実に68%近くのビジネスパーソンが、期待する賃上げが物価の上昇に追いついておらず、「実質マイナス」と感じています。これは、名目上の賃金が上がっても、実際の購買力には影響を与えないことを示しています。加えて、半数以上が賃上げを期待する気持ちを抱きつつも、その期待が裏切られるのではないかという懸念を抱いているのです。
転職活動は続行 - 課題は賃金以上にキャリアにあり
調査の中で、仮に5%の賃上げが実現しても、70%の人々は転職活動を続ける意向を示していることが分かりました。この傾向は特に新たなキャリア成長の機会が不足していることが背景にあると考えられます。実際に、「キャリア成長不足」が転職を考える理由のトップに挙げられており、ビジネスパーソンは金銭的な報酬以上に自身の市場価値やスキルの向上を重視していることが浮き彫りになっています。
より重要視される「成長環境」
次の職場を選ぶ際には、給料よりも「スキルアップや市場価値の向上」を求める声が56%に達しました。また、職場の雰囲気や柔軟な働き方も重要視されている様子で、年収最優先とする人はわずか12%に過ぎません。このように、働き手は金銭的報酬だけにとどまらず、成長できる環境や社風の方を重視しているのです。
企業が直面する課題とは
調査に寄せられたフリーコメントからは、「キャリア・スキルの停滞」や「人間関係の問題」、「労働環境の不満」といった具体的な課題が浮き彫りになりました。「お金だけでは解決できない」といった声は、現場の本音が反映されています。加えて、「給料を上げるだけでは解決しない」という意見が多く見られ、企業側が取り組むべき課題の多さが指摘されています。
企業に求められる対応
現代の働き手が求める条件は、賃金の改善だけでなく、キャリア成長を促進するための環境整備が不可欠です。労働力としての付加価値だけでなく、個人の成長をサポートする場として機能する企業が求められています。今後、競争が激化する中で、企業は「働き手の市場価値を向上させる場」としての役割が問われるでしょう。
結論として、賃上げは単なる抑制策ではなく、優秀な人材を惹きつけるための必須条件になっていると言えるでしょう。これからの企業は、社員が安心して成長できる環境を整えることで、優秀な人材を引き留める努力をし続けることが求められます。これが転職を防ぐため、または企業の持続的な発展に不可欠な戦略になるのではないでしょうか。