コーポレートガバナンスの潮流
2025-10-17 16:21:01

2025年コーポレートガバナンス・サーベイが明らかにした企業経営の新たな潮流とは

コーポレートガバナンス・サーベイの結果概要



2025年4月、HRガバナンス・リーダーズ株式会社が行った「コーポレートガバナンス・サーベイ」の結果が公開されました。このサーベイは、コーポレートガバナンスの強化に向けた重要な指針となっており、主要な調査分野には取締役会、人的資本、指名、報酬、サステナビリティが含まれています。2025年にはプライム市場の約360社が参加し、企業のガバナンス諸制度の分析が行われました。

取締役会の役割


サーベイの結果、取締役会の主要な役割として「経営の基本方針の決定」と「業務執行の監督」が共に高い割合で挙げられました。特に、指名委員会等設置会社では、業務執行の意思決定を執行側に委ねる企業が増加しています。これに対して、監査役会設置会社では、意思決定に関与する割合が高い傾向が見られます。また、取締役会議長に対しては、93.1%の企業がファシリテーション役割を期待しており、取締役会の運営が多様化していることが浮き彫りとなりました。

人的資本経営の進展


人的資本経営においては、従業員のエンゲージメントや働き方に関する取り組みが先行して進んでいますが、人材ポートフォリオの構築には課題が残ります。しかしながら、部門横断の推進体制やCHRO(チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー)の設置など、ガバナンス体制の整備は進んでいるとのことです。また、指名委員会や報酬委員会の活動回数が増加し、後継者計画の審議も拡大しています。

報酬体制の変化


社長の総報酬額は、直近3年間で増加し、特に時価総額1兆円超の企業ではおおよそ2億円に達しています。インセンティブ報酬の構成比率は上昇し、株主価値を反映する指標の採用が増加。これにより、企業価値の向上を目指した報酬制度が注目されています。特に、ESG(環境・社会・ガバナンス)指標と結びつけた報酬制度の拡充は、企業戦略に重要な役割を果たしつつあります。

サステナビリティの重視


サステナビリティの観点でも取り組みが進んでいるものの、取締役選任や投資判断においては十分ではないという課題があります。約4割の企業が報酬設計でサステナビリティを取り入れていますが、経営戦略への統合は2割未満にとどまっています。今後、取締役会での議論を活発化させることで、持続可能な企業価値の向上が期待されます。

おわりに


HRGLのシニアコンサルタントらは、コーポレートガバナンスの運営において、ガバナンス構造が進化している一方で、多くの課題も残っていることを指摘しています。このサーベイを通じて、今後ますます重要となる企業ガバナンスのあり方について、各企業が真剣に考えていくことが求められます。


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