従業員体験を深化させるEX改善手法
企業の成長には、従業員の満足度が不可欠です。しかし、従業員満足度調査だけでは、実際の本音やニーズを捉えることが難しいことがあります。株式会社mctが発表したホワイトペーパーでは、従業員体験(EX)を改善するための具体的な方法として「従業員ジャーニーマップ」の活用が提唱されています。これにより、従業員の本音を可視化し、本質的な課題を浮き彫りにすることができます。
従業員満足度調査の課題
近年、多くの企業が従業員エンゲージメントの重要性を認識し、満足度調査を行っているものの、得られたスコアのみでは「なぜそう感じるのか」、また「どのような体験が影響しているのか」といった深い理解には至りません。mctはこの課題を解決するため、「理想的なEX」を問い直し、本音を引き出す対話の場づくりから始めることを提案しています。
6ヶ月のEX改善プロジェクト
mctは完全リモート環境において、従業員の本音を引き出すためのEX改善プロジェクトを実施しました。以下に主な活動内容を紹介します。
1. 本音を引き出す座談会の設計
- - グループ編成: 小グループでの座談会を対面で開催し、心理的安全性を確保しつつ、経験年数や役職に配慮した編成を行いました。
- - 議論の可視化: Miroというツールを活用し、議論を視覚化・構造化する手法を採用しました。
- - テーマ設定: 現状分析においては、案件活動、コミュニケーション、経験シェア、理想の姿の4つのテーマを元に深掘りました。
2. 課題の構造化
インサイト分析を通じて、表面的にはバラバラに見える課題の本質が「Fixed mindset」に基づくことが明らかとなりました。これにより、組織が直面する課題の核にアプローチすることが可能になりました。
3. 課題を施策に移すプロセス
- - 問いの転換: How Might We?というワークを通じて、課題をポジティブな問いに転換しました。
- - ビジョンの策定: リーダーと共にビジョンを策定し、全社会議でその理解を深め、自分ごと化するためのワークが行われました。
- - 施策立案: 結果として「若手ディレクター育成プロジェクト」といった具体的な施策が立ち上がりました。
重要な学びと今後の進展
このプロジェクトを通じて得られた重要な知見は以下の通りです。
1.
視点の多様性を可視化: 社員同士が結果を見ながら意見を交わすことで、多様な体験や視点が自然と浮き彫りになりました。
2.
対話の重要性: フルリモート環境では意図的に対話の機会を設計することが、それ自体が本音を引き出すための鍵であると認識されました。
3.
第三者の視点の価値: 社内だけで課題に臨むことの限界を感じ、外部ファシリテーターの活用が有効であることにも触れました。
今後、mctは得られた知見をもとに、クライアント企業向けのEX改善支援サービスの強化を図ると共に、自社内での実践も積み重ねて行く予定です。このような取り組みを通じ、組織の成長を促進し続けるでしょう。興味がある方は、ぜひ
こちらのブログもご覧ください。