佐賀市、Airbnbとの連携で空き家シェアリングを推進
佐賀県佐賀市は、世界的な宿泊予約プラットフォームであるAirbnb(エアビーアンドビー)と新たな連携協定を締結し、空き家を利活用する「空き家シェアリング」のモデルを構築する取り組みをスタートしました。この協定により、空き家の利用方法を「住む」だけではなく、さまざまな形で拡張し、地域の活性化を図ります。
空き家問題の深刻さ
日本全体で約900万戸が空き家として放置されており、今後10年以内には空き家が3軒に1軒に達するとの予測もあります。空き家がそのまま放置されると、倒壊の危険性や地域環境の悪化などの問題が生じるため、適切な管理と利用が求められています。佐賀市はこの問題解決に向けた具体的な施策を進めることになります。
官民連携による新たな取り組み
この連携協定は、全国的に見ても佐賀市が初めての事例です。Airbnbは、これまでにも長野県や北海道などの各地域で同様の取り組みを行っており、地域活性化やコミュニティの形成を支援しています。今回の協定では、空き家を地域にとっての資源として捉え、住宅用途だけでなくさまざまな形での活用を目指します。
具体的な目標としては、空き家の用途変更やリノベーション、さらには事業運用に焦点を当てたモデルケースを構築し、佐賀らしさを活かした「シェアリングシティ」の実現を目指します。これにより、地域の魅力や価値を新たに生み出し、住民が生きやすい環境を整備していく予定です。
今後の計画
この取り組みは3段階に分かれて進められます。初年度(2025年度)には、空き家の実態調査と活用モデルを作成することからスタートし、空き家リノベーションの各種支援を行うセミナーを開催する予定です。
続く2年目(2026年度)では、具体的な活用例をもとに、地域内のコミュニティに対する支援を両者で行います。そして、最終年度以降は、民間同士が直接連携し、空き家の利活用を推進する体制を確立します。
セミナーと活動予定
初年度には、8月に「SAGA 空き家シェアリング会議」が開催され、地域の事業者や学生に向けて空き家シェアリングの取り組みを紹介します。また、10月には空き家見学ツアーが行われ、実際の空き家を見ながら活用モデルを検討します。来年の2月には、「エアビースクール in SAGA」を開催し、参加者が空き家の利活用について学ぶ機会を提供します。
佐賀市の魅力
佐賀市は華やかなバルーンフェスタで知られ、地域の個性を大切にしながら、進化を続けるまちづくりを行っています。エアビーアンドビーとの連携によって、今後さらに魅力的なまちへと成長していくことでしょう。地域の皆さんがどのような形で空き家を活用していくのか、今後の展開が楽しみです。