アイフレイル実態調査から見えた40代からの視力問題とその対策

2015年、人生100年時代に突入した日本。その中で、年齢を重ねることによって増えてくるのが目の健康問題です。一般社団法人日本コンタクトレンズ協会（JCLA）が実施した「アイフレイル」に関する実態調査によると、40歳から64歳の多くの人々がこの概念を知らないことが明らかになりました。アイフレイルとは、加齢により目が衰える状態を指し、特に老眼症状が代表的です。この調査結果をもとに、私たちの視力に何が起こっているのか、どう対策を立てていけば良いのかを考えます。

調査背景と目的

JCLAは、アイフレイルの認知度や眼科受診率、視力矯正に対する意識を調査し、今後の啓発活動に繋げるためのデータを収集しました。調査対象は、40歳から64歳の男女1,000名で、実施期間は2025年2月の2日間です。調査を通じて、多くの人々がアイフレイルを知らず、眼科受診を行っていないことが浮き彫りになりました。

認知度の低さ

調査結果によれば、アイフレイルを知っていると答えた人は全体の約3割にとどまり、7割がその言葉を知らないという結果が出ました。この現状は予防的な視力管理がなされていないことを示しています。眼科は目の健康における重要な役割を果たしていますが、1年以内に眼科を受診した割合は3割にも達していませんでした。

眼科受診の目的は、主に眼鏡やコンタクトレンズの処方であり、自覚症状がない限り受診しない人が大半です。この傾向は予防よりも病気が進行してから受診する姿勢を反映しています。

視力矯正への不満

特に視力矯正を行っていない人の約9割が近い距離での見え方に不満を持っていると回答しました。「小さな文字が読みにくい」といった具体的な不満点が目立ちますが、それでも視力矯正の手段を講じないというのは非常に危険です。視力に問題を抱えつつも解決策を取らない人が多いという、このギャップは何を意味しているのでしょうか。

データを見る限り、遠近両用コンタクトレンズ（CL）の認知度は6割程度ですが、依然として4割以上の人々がその存在を知らないという現実があります。特にアイフレイルを知る人々の中でも、まだ結局使われていないというのが実情です。このため、まずは情報提供とともに、正しい知識を持ってもらうことが重要だと考えられます。

遠近両用コンタクトレンズの利点

私たちが目の健康を守るためには、視力の現状を正確に理解し、適切な措置を講じる必要があります。特に遠近両用CLは、近くも遠くもクリアに見ることができるため、これからのライフスタイルに適した選択肢です。老眼が進行していく中で、今後も快適な視生活を送るためには、早めに眼科を受診し、専門医と相談しながら自分に合った矯正方法を選ぶことがカギです。

結論

アイフレイルについての認知はまだまだ低いものの、正しい知識を持ち、積極的に眼科受診を行うことが重要です。また、8割以上の方々が近くの見え方に不満を抱きながらも諦めてやり過ごしている現状に、我々は警鐘を鳴らさなければなりません。啓発活動を通じて、多くの人々が目の健康を守り、快適な生活を送ることができるよう努めていくことが求められています。今後、JCLAも引き続き情報提供に努めていく予定です。