東京大学岡田教授がUpstageのアドバイザーに就任、AIで科学を進化へ

東京大学岡田教授がUpstageのアドバイザーに就任

グローバルなAI企業Upstageが、東京大学大学院新領域創成科学研究科の岡田真人教授をエグゼクティブリサーチアドバイザーに迎え入れました。この動きは、新たな“AI for Science”プロジェクトの開始を伴い、産学連携の重要な一歩とされています。

岡田教授は、これまで三菱電機や大阪大学、さらに理化学研究所など、様々な研究機関で活躍してきました。現在、東京大学においてデータ駆動科学の実証的研究を推進しており、特にベイズ計測やスパースモデリングにおける理論的研究に注力しています。これにより、物性物理学や脳神経科学、物質材料科学など、社会的な課題解決に貢献しています。

Upstageは、今年3月から日本市場拡大を図っており、この度の岡田教授の就任は戦略的な意義を持ちます。岡田教授の豊富な知見と経験は、Upstageがカラクリ株式会社と共同開発した、日本語対応の高性能LLM「Syn」や、文書の高精度な“LLM-Ready”構造への変換を実現する「Document Parse」といった先端技術を日本の産業へスムーズに実装するために必要不可欠です。

AIの持つ新たな可能性

岡田教授は、「Document Parse」の技術を通じて、研究現場や企業が直面する知の再活用や業務効率化の課題を解決できると述べています。三者の連携で、産業のニーズに応じたAIソリューションの開発が進むことで、日本の産業力が強化されることが期待されています。

このプロジェクトでは、AIを使用した論文情報の高精度な構造化や特徴量の自動抽出により、研究活動の効率化を図ります。UpstageのDocument AI技術とカラクリのLLM技術を優れた形で組み合わせ、様々な分野での情報探索の課題解決を目指します。企業や研究機関との協力により、ニーズに根ざしたユースケース開発も進める計画です。

期待される成果

岡田教授は、Upstageのエグゼクティブリサーチアドバイザー就任に際して、「日本の産業へのAI活用を強力に支援できると信じている」と語っています。AI技術を駆使して、知識の再利用やビジネスの効率を高めていくことが可能です。さらに、Upstageはグローバル企業としての強みを生かし、海外で培った成功事例を日本に適用していくことを目指しています。

今後、日本の科学技術と産業のさらなる発展に寄与するため、AI技術の可能性を最大限に引き出していく所存です。

合同シンポジウムの開催

なお、この取り組みをより具体化するため、7月15日には合同シンポジウムが開催されます。ここでは本プロジェクトの発表やユースケース探索、デモ紹介が行われ、産業や研究におけるインパクト創出が期待されます。参加希望者は事前に申し込みが必要です。

ウエブサイトでは、Upstageやカラクリの提供する技術が多数紹介されていますので、ぜひ訪れてみてください。特に、「Document Parse」は多様な文書形式に対応しており、日本語の文書データの構造化を高精度で実現します。

このように、岡田教授がUpstageとコラボレーションすることで、日本におけるAI技術の活用が新たな展開を見せることが期待されています。今後の動向に大いに注目が集まることでしょう。