日立、山形県で日本初の洪水予報業務許可を取得し被害軽減を目指す

日立、山形県で日本初の洪水予報業務許可を取得

株式会社日立製作所は、山形県東根市において気象庁から「洪水予報業務」の許可を新たに取得しました。この許可により、日立は河川の水位だけではなく、浸水区域や浸水の深さについても予報業務を行うことができ、日本で初めての事例となります。このニュースは、今や頻繁に発生する水害から地域を守るための大きな一歩となるでしょう。

洪水予測の重要性と技術的背景

近年、気候変動の影響で水害が増加し、その対策が求められています。特に、国民や企業からの洪水に関する予報ニーズが強まっている中、気象業務法の改正により民間事業者が洪水予報業務に参入しやすくなりました。日立は、洪水予測におけるその技術力を評価され、今回の許可に至ったのです。

この洪水予測業務は、日立が開発した「流域治水浸水被害予測システム」、略して本システムの活用に基づいています。日立は、2022年に山形県東根市と共同で実施したリアルタイムの洪水予測研究で、その有効性を証明しています。これは、災害対応にお器として使用される予測技術にとって重要なステップです。

実績とシステムの運用

本システムの運用は、青森県でも2023年から開始されており、秋田県では2025年春から運用予定です。これにより、日立は流域治水を学びながら、洪水予報サービスを全国の自治体へ向け広めていく方針です。

具体的には、システムは河川水位や浸水の状況をリアルタイムで把握し、早期警戒を可能にします。また、過去のデータを元に、洪水の発生リスクや浸水の深算を予測する高度な技術を組み込んでいます。

今後の展望と社会貢献

日立は、洪水予報業務の対象地域を広げることで、より多くの自治体に対し技術的に裏付けされたサービスを提供し、水害のリスクを軽減することを目指しています。この取り組みは、地域社会の安全を守るための新しい道を切り開くものとなるでしょう。

さらに、日立は、今後もIT、OT（運用技術）、およびAIを駆使した「流域総合水管理」を実現するため、水の循環基本計画に基づいた施策を推進します。これにより、より持続可能な社会の実現を目指し、様々な水害対策に貢献し続ける考えです。