KOKUAが提案する新たな防災文化
株式会社KOKUA(東京都渋谷区)が、高知県黒潮町で新たにスタートさせたのは、『防災ツーリズム』と『防災ギフト』を掛け合わせたプロジェクトです。南海トラフ地震による津波想定が日本最大級となるこの地域で、KOKUAは防災意識を高める新しい取り組みを提案しています。
プロジェクトの背景
日本は自然災害が遂行する国であり、備えがますます重要視されています。しかし、多くの人々が防災対策を後回しにしがちです。この現状を打破しようと、KOKUAは"人々が自然と防災に取り組める社会の創出"を目指しています。高知県黒潮町も、津波被害への対策を積極的に進め、地域資源を活かした防災ツーリズムに取り組んでいます。
この町では『避難放棄者ゼロ・犠牲者ゼロ』という理念のもと、官民一体で防災教育やインフラ整備を行っています。その結果、南海トラフ地震に対する防災意識の向上はもちろん、行動へとつなげる持続可能な文化の創出が求められていました。
黒潮町の防災ツーリズム
高知県幡多郡黒潮町は、美しい自然環境に恵まれた地域です。ここでは、クジラやイルカが周囲に生息し、地元の文化が育まれています。しかし、南海トラフ地震では最大34メートルという津波の脅威も存在します。この矛盾した状況を、生かす形で海の恵みを体験することができるのが防災ツーリズムです。
黒潮町観光ネットワークが企画運営を行い、体験型プログラムを提供している防災ツーリズムには、自然の恵みと災いの両面を理解するための手法が詰まっています。令和元年度から本格的に推進され、年間1,000人以上の参加者が訪問しています。さらに、国際認証「Green Destinations 2025 TOP100」にも選出されるなど、多くの評価を得ています。
プロジェクトの具体的な取り組み
KOKUAでは、黒潮町の防災知見と自身の防災用品、ギフトに関するノウハウを結集し、以下の3つの方針でプロジェクトを展開します。
1.
防災ツーリズム×贈る体験:ツーリズム参加者に対し、KOKUAがプロデュースする防災グッズを贈る機会を提供します。学んだ対策を大切な人とシェアすることで、持続的な防災意識を育てます。
2.
カタログギフトから防災ツーリズムへ:防災カタログギフト「LIFEGIFT」の引換商品に、黒潮町の防災ツーリズム利用券を追加。名実ともに、参加者を現地へ誘導します。
3.
黒潮町産防災用品を全国へ:地元の特産品を活用した防災商品を「LIFEGIFT」に掲載し、全国市場での販路拡大を図ります。
このように、黒潮町とKOKUAの取り組みを通じて新たな防災文化の形成を目指すのです。
「LIFEGIFT」とは?
「LIFEGIFT」は、防災グッズを日常生活の中で贈ることで防災意識を高めるためのカタログギフトです。プレゼントの受取人は、自分に合った防災グッズを選ぶことができ、日常的に防災対策を始めるきっかけとなります。2021年にはグッドデザイン賞も受賞し、広く支持を集めています。
代表の想い
KOKUA代表取締役の疋田裕二氏は、東日本大震災の教訓を忘れず、今回のプロジェクトの意義を強調しました。黒潮町が津波の脅威と向き合い、持続可能な防災について新たな取り組みを始める中で、全国にその輪を広げていく意義深さを感じています。
今後の展開
本プロジェクトは2023年11月5日、津波防災の日に向けて本格的に始動します。この日を機に、多くの人々が防災意識を持ち、具体的な行動に移すことを期待しています。また、2025年度には黒潮町防災ツーリズムの参加者数増加や全国的な防災文化拡散の成果を検証し、他地域への展開も視野に入れています。KOKUAは「自然と防災に取り組む社会」を目指して、新たな文化のモデルケースの創出を進めていきます。