静岡市とシナジーマーケティング株式会社は、2025年12月9日に「関係人口創出に関する連携協定」を締結しました。その目的は、ふるさとを離れた人々の静岡とのつながりを深め、地域愛を再確認することにあります。この取り組みは、静岡市が直面する「若者の流出」という悩みに真摯に向き合ったものであり、特に転出者が地元との関係を失うことが地域に与える影響を考慮しています。
今回のプロジェクト、名付けて「FAVTOWN Shizuoka city」は、静岡の出身者や現在住んでいる人々が、日常的に静岡との関係を感じるためのプラットフォームとして機能します。このサービスは、2025年の12月23日に開始予定で、具体的なコンテンツや機能についても後日発表されるとしています。
「FAVTOWN」は、静岡市に居住または出身の人々、地元企業、学校、行政が一体となり、「地元が好き」という共通の思いを持つ仲間をつなげます。この取り組みを通じて、静岡を応援したい人々が集まり、コミュニティを形成することで、地域への愛着が再燃することを目指しています。
具体的には、母校の情報や地元ニュースを配信するサービスや、新生活を応援するためのふるさと便、会員限定の静岡市関連イベントへの参加促進など、多様なコンテンツを展開予定です。これにより、地域住民や出身者が静岡市との関係性をより深く感じることができるようになるでしょう。
静岡市は、20の政令指定都市の中で現在2番目に人口減少率が高いという現状があります。進学や就職を理由に静岡市を去る若者が多数いる中で、地域愛の喪失を防ぎ、将来的にUターンを促進するための新しい枠組みを築くことが急務となっています。
同社の代表、奥平博史社長は、地域の人々が共感しながらつながり続ける未来の重要性を強調しました。また、過去の成功例となった和歌山市や愛媛県南予地域での取り組みから、地方創生のヒントを得たと述べています。静岡市との共同プロジェクトは、地域活性化の新しいモデルとして位置づけられています。
この「FAVTOWN Shizuoka city」は、静岡市に居住または出身の人々を中心に、静岡を愛する全ての人に開かれたプラットフォームです。地域企業や大学との連携を通じて、地元愛を育み、客観的に地域の魅力を発信することが期待されています。
これまでに培ったマーケティングの知見を活かし、地元愛を核とした関係構築が進められることで、静岡市の活性化に繋がる新しいモデルが生まれることでしょう。地域の未来を見据えた「FAVTOWN Shizuoka city」の成功が、国全体の地方創生の一助となることを願っています。