Visaがアジア太平洋地域におけるAIコマースの拡大を発表
2025年11月、シンガポールで開催されたFintech Festivalにて、VisaはAIコマース「Visa Intelligent Commerce」のアジア太平洋地域への拡大を発表しました。この取り組みは、AIエージェントが消費者の代わりにショッピングや支払いを行う時代を切り開くものです。ビザは新規のセキュリティープロトコルや試験プログラムを導入し、AIエージェントコマース戦略の新たな一歩を踏み出すことを実現します。
AIコマースエコシステムの構築
Visa Intelligent Commerceは、統合されたAPIとパートナープログラムを提供し、Visaの安全なインフラストラクチャーを活用して、AIエージェントによる同意型の決済を実現します。これにより、消費者は安心してAIコマース機能を使用してオンラインで購入や支払いを行えるようになります。実際、過去1年間でオンラインショップへのAIトラフィックが4700%以上も急増し、AIを活用したショッピング体験が向上したという報告もあります。Visaはアジア太平洋地域に新たなチャンスを提供するため、AIコマースに必要なインフラや機能を進化させています。
将来的には、世界中の数百万の加盟店で、Visaの48億のクレデンシャルを活用した取引が可能になるとのことです。これにより、消費者はAIエージェントに旅行の手配や映画のチケット購入を頼むことができ、一連のプロセスを安全に実行できます。
Trusted Agent Protocolによる加盟店の信頼構築
Visa Intelligent Commerceの中心には、加盟店に対する保証を提供するために設計された「Trusted Agent Protocol」が位置しています。この仕組みを通じて、加盟店は信頼できるAIエージェントを識別、検証できるようになり、悪意のあるボットによる不正行為の抑止が期待されます。このプロトコルはオープンなローコードソリューションとして設計されており、加盟店は今後インフラを大規模に更新することなくこのシステムを導入できます。これにより、AIエージェントが安全かつ透明性のある取引を行っていることを確認できるようになります。
Visaのアジア太平洋地域プロダクト&ソリューションズ責任者、T. R. Ramachandranは、AIエージェントコマースはオンライン決済取引を根本的に変革すると述べています。Visa Intelligent Commerceは、消費者、AIエージェント、加盟店を結びつける安全で拡張可能なソリューションを提供し、全ての取引の透明性を担保することで、購買に関係する全ての人々が安心してこの技術を活用できるようにします。
アジア太平洋地域でのさらなる展開
Visaは、Ant InternationalやLG Uplus、Perplexity、Stripe、Tencentなどの企業と協力し、AIエージェントコマースの実現を目指して活動しています。このパートナーシップは、AIと決済エコシステムの相互連携を通じて、スマートで信頼できるコマース体験を提供するVisaのビジョンを体現しています。
今後、規制対応やエコシステムの準備が整い次第、2026年初頭にはVisa Intelligent Commerceをアジア太平洋地域で試験展開予定です。これはVisaのネットワークやAIエコシステムと協力して新たなAIネイティブの消費者向けのコマース体験を提供する取り組みを示しており、今後の進展が大いに期待されます。
Visaについて
Visaは、世界200以上の国と地域で電子決済をリードする企業です。そのミッションは、安全で革新的、かつ高い利便性を持つ決済ネットワークを通じ、個人や企業、経済の繁栄に寄与することです。詳しくは、
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