製本業者が挑む「図書館総合展2025」での魅力的な取り組み
2025年10月22日から24日の3日間、横浜で開催される「図書館総合展2025」。このイベントは図書館界にとって最大のコンベンションであり、数多くの企業や団体がその活動を披露します。その中で、特に注目を集めているのが「東京美術紙工協業組合」(以下、東京美術紙工組合)です。この製本会社は、ハードカバーからソフトカバーまで幅広く書籍製本を手掛けており、今回も昨年に引き続き出展することになりました。
本づくりへの革新的なアプローチ
東京美術紙工組合は、単に書籍製本を行うだけでなく、本作りそのものからアプローチし、本の文化や魅力を広めようとしています。同社は、図書館界の専門家である司書をはじめ、本好きな人々に向けて製本技術の魅力を伝える取り組みを展開しています。特に注目すべきは、オンライン要素を取り入れた製本研修プログラムです。これにより、地域にかかわらず誰でも参加できる環境を整えています。
「一日製本職人」とは?
今回の展示会では、「一日製本職人」と名づけられた製本研修プログラムを紹介します。このプログラムでは、参加者が実際に製本を体験し、技術を学ぶことができる内容です。以下の4つのコースが設けられています。
1.
入門KURUMIコース
製本キット「KURUMI」を使った実践的な製本体験ができます。
2.
初級KurumiPROコース
本の中身を自分で作る体験ができるコースで、製本機械の見学が含まれています。
3.
中級TAKUMIコース
製本についてのこだわりが感じられるよう本格的な内容となっています。
4.
上級一日製本職人コース
実際の製本現場を見学し、職人技を体験できる特別なコースです。
これらのコースでは、製本の楽しさを味わいながら、本の価値についても理解できる機会を提供しています。特に、子どもから高齢者まで多様な参加者に向けたプログラムが豊富であることが特徴です。
無料体験と本の修理実演
会場では、製本キットの無料体験が行われ、昨年の展示会でも高い評価を受けた「KURUMI」が再登場します。さらに、「本の修理」についてのヒントを得られる実演コーナーも設けられ、日常業務の中での問題を解決する助けとなります。
未来に向けた取り組み
東京美術紙工組合は、出版業界の現状に危機感を持ち、製本体験を通じて紙の本の魅力を再発見してもらえるような活動に力を入れています。グーテンベルグ以来の技術を通じて、本に対する愛着を深めてもらうことで、未来の読書文化を支える一助となることを目指しています。東京都からの評価も受け、デジタル技術を活用した販売力強化プロジェクトにも取り組んでいるそうです。
終わりに
このように、東京美術紙工組合は図書館界だけでなく、広く本好きな人々にも本作りの魅力を伝え続けています。「図書館総合展2025」では、ぜひ製本の世界を体験し、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。参加者が新たな発見を得られる場になることを期待しています。
詳細については、
東京美術紙工協業組合のホームページおよび
「図書館総合展2025」メインサイトをご覧ください。