進化を続ける金型業界の新たな風、CADmeister 2025
金型業界の進化は止まらない。UEL株式会社が2025年7月28日に発表した最新の3次元CAD/CAM/CAEシステム「CADmeister 2025」は、従来のCADの枠を超えた革新的な機能を搭載し、さらなるデジタル化と効率化を実現する。自動車や樹脂製品の金型設計から製作、解析までの幅広いプロセスをサポートするこのシステムには、ますます複雑化する金型設計における課題を解決する力が秘められている。
自動化と品質向上を追求する新機能
「CADmeister 2025」では、設計工程で作成した3Dデータに基づき、高精度の解析が可能なシステムやXR技術との連携機能を新たに実装。これにより、金型設計から製作までのプロセスをデジタル化し、トライ回数の削減や部門間の迅速な連携を実現する。これまで単独では対応が困難だった現場の課題に立ち向かうために、究極の効率化と生産性を目指したアップグレードがなされている。
類似形状検索機能の強化
まず注目すべきは、類似形状検索機能の向上である。プレス金型および樹脂金型の形状を効率的に検索するために、色や部品名、取引先、品番など、さまざまな属性情報による検索が可能になった。この機能の強化により、過去の設計データの再利用が容易になり、設計工数の短縮や見積もり精度の向上が期待できる。
高精度解析を実現するADVENTUREClusterとの連携
次に大規模データの高精度応力解析に対応するADVENTUREClusterとの連携機能も非常に魅力的だ。この機能では、属性情報を保持した3Dデータを直接出力できるため、解析のための準備作業にかかる手間を大幅に減らすことができる。これにより、エンジニアはより迅速にデータ解析に移行でき、業務の流れがスムーズになることが期待される。
Excelとの連携強化による検図作業の自動化
「CADmeister 2025」では、3D検図機能がさらに強化され、Excelとの連携も拡充されている。この新機能では、3Dモデルを用いた自動計測が実現し、外形と穴の距離などの基準値も簡単に確認できるようになる。これにより、誤組み付けの防止にも繋がり、検図作業の効率が飛躍的に向上する。
XRアプリケーション「XDaevr」へのデータ出力機能
面白いのは、UELが開発したXRアプリケーション「XDaevr」に向けたデータ出力機能の追加だ。これにより、シームレスにデータを活用でき、金型設計の効率を一層高める新しい可能性が広がる。スクラップの落下挙動をシミュレーションすることで、事前に不具合を検知することができる。
製造業界のデジタル化を支える
最近では、自動車業界の電動化に伴うハイテン材の導入や、樹脂業界での新素材の採用が進む中、金型設計の難易度が上がっている。また、技術者の高齢化が進む中、暗黙知の継承が急務となっている。そうした背景の中、「CADmeister 2025」の導入は、企業や部門間のデジタル連携を強化し、日本の製造業の競争力を高めるための大きな助けとなるだろう。
「CADmeister」は2005年の発売以来、国産唯一の3次元CAD/CAM/CAEシステムとして急速に普及し、これまでに45,000シート以上が採用されている。「CADmeister 2025」が、さらなる5,000ライセンスの販売を見込む中、多くの企業がこの革新的なシステムの導入を求めるはずだ。今後の展開に注目が集まる。
ぜひ、最新機能に注目し、金型設計製作の未来を切り開く「CADmeister 2025」にご期待ください。