2025年度ピティナ・ピアノコンペティション特級ファイナルの開催
2025年度のピティナ・ピアノコンペティション特級ファイナルが、音楽の殿堂・サントリーホールで開催されました。このコンクールは、毎年全国から3万人以上の参加者を迎え、ピアノ音楽の楽しさと技術を競う場として知られています。今年もその例に漏れず、熱い戦いが繰り広げられました。
特級部門は、特に難易度が高く選ばれしピアニストだけが参加するエリートの場。その中で、通過した4名のファイナリストたちは、厳しい審査をくぐり抜け、その成果を観客の前で披露しました。指揮には著名な大井剛史氏が色を添え、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共に、見事なパフォーマンスが展開されました。
2025年度グランプリの栄冠は稲沢朋華さん
この度のグランプリに輝いたのは、桐朋学園大学に在学中の21歳、稲沢朋華さんです。彼女は香川県三豊市出身で、ファイナル演奏ではベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第3番》を演奏し、聴衆を魅了しました。最後の演奏者として登場した彼女は、オーケストラとの息を合わせた見事なアンサンブルを展開し、多くの支持を得ました。
2025年度のピティナ・ピアノコンペティションには、30,066名が参加し、その中から115名が最難関の特級にエントリーしました。数々の予選を経て、選ばれたファイナリストたちによる競演は、その質の高さを物語っています。
トリプル受賞の快挙
稲沢さんは、グランプリに加え、ファイナルでの聴衆賞とオンライン聴衆賞の両方を受賞というトリプル受賞の快挙を達成しました。ファイナル当日のサントリーホールは、前日でチケットが完売し、約1,800名の来場者で賑わいました。多くの音楽ファンが彼女の演奏に耳を傾け、温かい拍手を送ったことでしょう。
各賞受賞者一覧
- - グランプリ: 稲沢朋華(桐朋学園大学4年、香川県出身)
- - 銀賞: 津野絢音(東京音楽大学4年、東京都出身)
- - 銅賞: 加藤皓介(桐朋学園大学1年、東京都出身)
- - 入選: 高見真智人(東京音楽大学大学院1年、愛知県出身)
- - 聴衆賞: 稲沢朋華
- - オンライン聴衆賞: 稲沢朋華
詳細な結果は、
特級結果ページでご覧いただけます。
待望の活動報告会も同日開催
同日には、別会場のサントリーホール・ブルーローズで「特級活動報告会」が行われ、昨年のグランプリ受賞者である南杏佳さんがゲストスピーカーとして参加しました。彼女は特級の振り返りと、今後の展望について語り、会場に訪れた多くの参加者たちと未来の道を探りました。
特級は、年齢制限のない最上級クラスで、国際コンクールと同等の難易度を持ちながら、ピアニストとしての在り方を学ぶ貴重な場でもあります。2025年度からは新たに室内楽も導入され、より多様な表現力が求められるようになります。これは、全国で3万人以上が参加する予選を経て、多くのピアニストたちの成長を支える施策でもあります。また、コロナ禍以降はライブ配信を通じて広がる支持を受け、クラウドファンディングによって入賞者の派遣も行われています。これにより、ピアニストたちには「夢」と「憧れ」を届ける素晴らしい取り組みが続きます。
今後のピティナ・ピアノコンペティションが、どのような若手ピアニストたちを育てていくのか、楽しみです。新たな才能が世界に羽ばたくきっかけとなるこの大会に、ぜひ注目してください。
お問い合わせ先
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会
一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)は、ピアノ指導者を中心に音楽教育のネットワークを広げている団体です。18000人以上の会員を持ち、全国各地に音楽の輪を広げる活動を展開しています。