新たな時代の音色を求めて
日本の伝統楽器である箏には、 象牙が多く使われてきました。これまで、弦をはじくための和楽器において、象牙製の道具は高い評価を受けてきたものの、国際的な象牙取引禁止に伴い、これからの入手が難しくなることが懸念されています。特に海外で活動する箏奏者にとって、象牙製の道具は入手困難となっている現状です。このような課題を克服するために、新たに竹を原料としたセルロースナノファイバーを用いた筝爪の開発が進められています。
象牙代替品の実力
Sera Creationsでは、8年前からプロの演奏者や音響研究者の協力のもと、新しい素材を使った筝爪の音色を分析してきました。最近発表された研究では、竹由来のセルロースナノファイバーで製作された筝爪と、伝統的な象牙製筝爪の音を科学的に比較しました。その結果、特に製品番号4の音色が象牙に非常に近いことが確認されました。この研究は、今後の音楽製品に革命をもたらす可能性を秘めています。
「象牙を使わない箏コンサート」の意義
新たな時代に向けた動きとして、認定NPO法人野生生物保全論研究会は「象牙を使わない箏コンサート」を開催します。このコンサートでは、新素材による筝爪の音色を広く一般に公開することが目的です。
コンサートの3つの目的
1. 新素材で製作した象牙代替品が、象牙に近い音色を実現していることを提案。
2. 従来象牙が出す音色が最高とされていた価値観から、時代に合った新しい文化を提案。
3. ゾウが生息する地域における伝統楽器とのコラボレーションを通じて、象牙利用の問題に対する意識を高めます。
このように、コンサートは新たな音楽の形を模索するきっかけとなるでしょう。
コンサート詳細
【主催】認定NPO法人野生生物保全論研究会(JWCS)
【共催】認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金 / Sera Creations
【後援】公益社団法人日本動物園水族館協会 / 国際自然保護連合(IUCN)
日時: 2025年10月31日(金)18:30-19:45
場所: 東京ウィメンズプラザホール
チケット: 1,500円(親子室は小学生以下無料)
チケット購入は
こちら
プログラムの内容
- - 17:00 開場
- - 来場者は、ポッドキャストを使った音声番組「生きもの地球ツアー」を楽しむことができます。
- - 受付周辺では、共催団体の紹介活動や、新素材の和楽器の展示が行われます。
- - 18:30 開会挨拶
- - 18:35 講演
- - 19:05 演奏
- - 19:40 閉会挨拶
- - 19:45 終了
講演内容
1. ゾウの密猟と日本の象牙市場
2. アフリカのゾウを守る象牙代替品への挑戦
演奏曲
- - 古典箏曲・現代箏曲
- - 箏とジェンベのコラボレーション
このコンサートに参加することで、参加者は音楽を通じて、環境保護や動物の権利について考えるきっかけを得られます。新たな音響体験とともに、私たちが築く未来を考える貴重な場となるでしょう。