ジェイコブ&コーの革新を体験する新章、その第一歩とは
2000年代初頭、時計業界でその名を轟かせた「ファイブタイムゾーン」。鮮やかなカラーリングと独自のデザインで、セレブリティたちの腕を飾りました。ニューヨークのわずかな空間から始まったこのブランドは、瞬く間にファッション時計として確固たる地位を獲得しました。しかし、創業者のジェイコブ・アラボは、当時の成功に満足することなく、さらなる進化へ向けた夢を抱いていました。
「私たちの目標は、ただ美しい時計を作ることではなく、本当に特別な時計を作ることです。」この哲学を基に、ジェイコブ&コーは美しさだけでなく、技術力の面でも人々を魅了する新たな挑戦に出ます。
初のトゥールビヨンモデル「クエンティン」の誕生
2006年、同ブランドの初のトゥールビヨンモデルである「クエンティン」が登場。ユニークな縦型ムーブメントに、31日間ものロングパワーリザーブを誇るこの時計は、7つの香箱を縦に直列配置するという驚きの設計が施されています。ここでの目を引くポイントは、縦長のシリンダー型ケースとサファイアクリスタルが作り出す視覚的な印象。
実際、この時計には名前がなかったのですが、偶然訪れた客の一言がきっかけで「クエンティン」と名付けられました。映画監督のクエンティン・タランティーノがこの時計を着用し、メディアでも取り上げられたことが、その価値をさらに高める要因となりました。このモデルは、アラボ氏が時間の彫刻をしようとする一歩を踏み出した象徴的な作品となりました。
複雑機構を芸術に変えた「アストロノミア」の革新
その後、ブランドはトゥールビヨンを基盤とした新しいコレクションを展開。特に印象的なのは2014年発表の「アストロノミア」です。この時計は、ムーブメント全体が20分で一回転し、4つの要素が同時に回転するという、これまでにない立体的な構造を持っています。
四つの要素は、
- - フライングトゥールビヨン
- - 回転式の時間表示
- - 手彫りのマグネシウム製地球儀
- - 特許を取得した288面のカッティングを施したダイヤモンド
です。それぞれが透明なサファイアケース内で幻想的に動く様子は、腕元に小さな宇宙を宿す感覚を与えます。従来、複雑な機構は内部に隠れることが多かった中、この時計はすべてを見せることで新しい形の「機械芸術」を実現しました。
アストロノミアは、時計の概念を「時を知る道具」から「感動を生む作品」へと革新し、今や地上だけでなく宇宙にまでその視野を広げていることが印象的です。また、2022年には宇宙に行く史上初の3軸トゥールビヨン時計ともなり、ブランドの不可能を可能にする理念を象徴する存在となっています。
ストーリーを持つ時計たち
ジェイコブ&コーの時計には、必ず深いストーリーがあります。単に美しさを追求するのではなく、各モデルにはテーマと感情が宿っています。機械の精度に美を、構造にロマンを、時には遊び心を加える——これがジェイコブ・アラボの時計哲学です。
「We make the impossible possible.」という理念が形になり、唯一無二のブランドへと成長する道を歩み続けるジェイコブ&コー。彼らのデザインには、未来への希望と夢が詰まっています。新たなラインナップやコレクションの誕生を心待ちにしながら、次なる進化の瞬間を楽しみにしましょう。
まとめ
今後もジェイコブ&コーは進化を続けます。最新のビリオネアジュエリーカードなど、新たなプロダクトを発表し、選ばれし者に特別な体験を提供し続けます。次回の連載では、ブランドの今を掘り下げ、魅力をさらに紐解いていきます。