AIと人間が共存する次世代オフィス「OFFICE AGENTIC AI」の誕生
2025年12月19日、コクヨ株式会社と株式会社TIGEREYEが共同特許を出願した新技術「OFFICE AGENTIC AI」の発表が、オフィス環境の未来を照らす明るい光となっています。これは、AIとの協働によって行動も生産性も変わる新しい働き方を提案するものです。
「OFFICE AGENTIC AI」の背景
オフィスがただの仕事をする場所でなく、行動を変えるエージェントになり得ることを目指して、コクヨとTIGEREYEは協力を開始しました。「OFFICE AGENTIC AI」は、TIGEREYEのマルチモーダルAIフレームワークとコクヨの「自律協働社会」の理念を組み合わせたもので、AIが学習した個々の行動データを通じて、職場環境を最適化します。
エージェント的AI基盤
この技術の核心は、AIが人間との対話や様々なアクションを通じて自らを学び、自己最適化していく「エージェント的」な要素にあります。AIは受け取った情報や意図、文脈をベクトルとして理解し、親和性ベクトルとして更新していくことで、「どのように」「誰と」「どの目的で」協力すべきかを判断します。
三層構造の導入
さらに具体的には、TIGEREYEは三層構造「Talk層・Judge層・Match層」を採用しています。これにより、オフィス内での対話が自動生成され、評価が加わり、どのエージェントや人材が最適かを判断するプロセスが生まれます。この構造によって、オフィス自体が常に進化し、社員の働き方を向上させる可能性を秘めています。
最適化されるオフィス環境
アーキテクチャとしては、通常のAIアシスタントの枠を超え、オフィスが自ら学び、提案する主体へと成長します。例えば、社員の行動パターンやコミュニケーション履歴が匿名化され、それに基づいて最適な座席の配置や会議の時間、チーム構成が提案されるのです。
技術の特長
- - MCP(Model Context Protocol)による多次元メタ情報のやりとり
- - スコアリングベクトルによるAI応答の評価
- - 親和性ベクトルによる最適エージェントマッチング
- - グラフデータベース(GraphDB)を用いた動的学習
- - 三層構造(Talk/Judge/Match)に基づく自律制御
コクヨとTIGEREYEの思い
コクヨの代表、黒田英邦は「働く空間を単なる場所から行動を変えるエージェントに進化させたい」とコメントし、TIGEREYEの上村学CEOも「自律的に考えるAIこそが次世代の知的基盤」と期待感を寄せています。両社は、このパートナーシップが、オフィスの未来を形作る第一歩であると確信しています。
今後の展開
両社はこの技術を基盤に、会議室の予約、業務の効率化などを目指した「OFFICE OS」や「OFFICE AGENT」を実装させ、実証実験を進める計画です。最終的には、AIが社員一人ひとりの行動や感情を理解し、働き方そのものを進化させるプラットフォームを実現するビジョンを掲げています。
「OFFICE AGENTIC AI」は、もはや単なるAIサポートを超えて、職場環境を変革する力を秘めた存在となり、その実現が待たれます。社員の創造性を引き出す未来のオフィス、その可能性を楽しみにしたいところです。