「予備校盛衰史」
2026-02-10 10:58:24

歴史を振り返る「予備校盛衰史」で見える受験文化の変遷

予備校がひらく学問の世界



2023年2月10日、教育・受験ジャーナリストである小林哲夫氏の著作『予備校盛衰史』がNHK出版から発売されました。この本は、現在の教育環境を見つめ直し、かつての「予備校文化」の重要性を再評価する内容となっており、興味深い視点を提供します。

日本における予備校の歴史



日本の教育制度は「六・三・三・四制」と呼ばれ、学校教育の枠組みを固定しています。しかし、その一方で予備校の存在は、公式には認められていません。この点が予備校を特別な存在にし、受験生にとって必要不可欠な存在となった背景には、長い歴史があります。

予備校は、戦後の混乱期から急速に成長を遂げ、1980年代にはその全盛期を迎えました。その当時の受験生は、予備校に通うことこそが当たり前と考え、浪人生は憧れの的でありました。しかし、現代はAO入試や推薦入試が主流となり、「学問の入り口」としての予備校の役割は徐々に薄れてきているのです。

予備校文化の再評価



本書では、1970年代から90年代の予備校文化の黄金時代に焦点を当てています。この時代においては、予備校は単なる学習機関を超え、ひとつの文化を形成しました。受験生はここで仲間と出会い、共に学び合い、互いに切磋琢磨したものです。その後の教育現場の変容により、予備校の役割は大きく変わりましたが、その存在意義を再認識する必要があります。

各章の概要



『予備校盛衰史』では、予備校の誕生から現代までを丁寧に追っています。

  • - まえがき:著者がこの本を書くに至った背景を語り、予備校の重要性を強調します。
  • - 第一章:現在の予備校の現状について探ります。
  • - 第二章~第四章:歴史をひも解き、明治から戦中、戦後から最盛期にわたる予備校の興亡を描きます。
  • - 第五章:予備校のアイデンティティに迫り、その効用とともに発生するトラブルについて考察します。
  • - 第六章:予備校文化の特異性と、従来の教育体制に対して持つ抵抗力を論じます。
  • - 第七章:文化を創り出す人々の姿を紹介し、彼らがどのように予備校を形成したのかに焦点を当てます。
  • - 第八章:少子化の影響を受ける予備校の未来について、その存続戦略を見つめ直します。

結論



『予備校盛衰史』は、現代の教育風景を再考するための貴重な一冊です。小林氏の洞察は、ただの教育の枠を超え、学問そのものの意味を問い直します。また、社会が求める学びの形が変わる中で、予備校がどのように役立っているのかを考えるきっかけを提供します。受験生や教育関係者はもちろん、教育に興味があるすべての人にとって、必見の書と言えるでしょう。


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