男性型脱毛症の新たなメカニズムを解明する研究結果

最近、毛髪・美容・健康分野でのイノベーションを牽引している株式会社アデランスは、男性型脱毛症（AGA）の進行に関する新たな研究成果を発表しました。この研究では特に、毛幹（髪の毛の肌から出ている部分）における特異な分子の減少が確認され、毛髪成長における重要なメカニズムとして注目されています。

AGA研究の背景

AGAは、進行性の脱毛症であり、50歳以上の男性の半数以上に影響を及ぼすと報告されています。女性でも、特に閉経後の約15％がAGAに悩まされています。この脱毛症は、自己肯定感の低下や生活の質（QOL）に大きな影響を与えるため、その治療や予防には多くの注目が集まっています。

主な原因物質–ジヒドロテストステロン（DHT）–が、脱毛症を引き起こす要因として挙げられています。DHTは毛髪の成長を阻害し、成長期を縮めることで、十分に成長しないまま髪が抜け落ちてしまいます。

毛幹プロテオーム解析の実施

アデランスの研究チームは、AGA患者5名および非脱毛症の男性5名を対象に、頭頂部と後頭部から毛髪の毛幹をサンプルとして収集しました。このサンプルに対してプロテオーム解析を実施し、なんと4,383種類ものタンパク質を特定することに成功しました。その結果、286種類のタンパク質において有意な変化が見られ、特にWNTLESS（WLS）およびWNT3という二つのタンパク質が注目されました。

WLSとWNT3の減少

研究により、AGAの毛幹からはWLSおよびWNT3の値が有意に減少することが確認されました。この減少は、特に薄毛が進行している頭頂部で顕著でした。これらの分子は、毛髪の成長に関与する重要な役割を果たしていると考えられています。

培養細胞を用いた補足実験

さらなる検証として、DHTを添加した培養細胞を用いた実験も行われました。ヒト毛乳頭細胞（DPCs）およびヒト表皮角化細胞（hEK）を使用し、これらの細胞におけるWLSやWNTタンパク質の変化をリアルタイムPCR法で確認しました。この結果、DPCsにおいてWLSが減少し、hEKにおいてはWNT5aおよびWNT3も減少することが分かりました。

まとめと今後の展望

今回の研究は、AGAの新たな発症メカニズムを解明する一歩となるものであり、WLSやWNTタンパク質がDHTの影響を受ける過程が示唆されました。今後は、Gene Levelでの変化をさらに追跡し、WNTの分泌量を評価することで、これらの変化がAGAにどのように寄与するかを明らかにすることが目指されています。

アデランスは、「Everything for a smile（すべては笑顔のために）」というスローガンのもと、グローバルにウェルネス事業を展開しており、今後も社会に笑顔と感動を提供し続けることを目指しています。