音の記憶をカタチにする『Sound Memory』の受賞
veernca合同会社が開発したアプリ『Sound Memory』が、国際的なデザイン賞であるレッド・ドット・デザイン賞のデザインコンセプト部門で「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞しました。この受賞は、音を通じて感動を残す新しいアプローチが高く評価された結果です。
レッド・ドット・デザイン賞とは?
レッド・ドット・デザイン賞は、1955年にドイツで設立された由緒ある国際的なプロダクトデザイン賞で、iF DESIGN AWARDやIDEA賞と並ぶ世界三大デザイン賞の一つとされています。この賞は、世界各国のデザイン専門家が審査を行い、プロダクトデザインだけでなく、デザインコンセプトやブランド&コミュニケーションデザインにおいても優れた作品を評価しています。レッド・ドット・デザイン賞2025の授賞式は、2023年10月15日にシンガポールで開催される予定です。
Sound Memoryの特徴
Sound Memoryは、思い出となる瞬間を音で保存するための「音を撮るカメラ&アルバム」アプリです。このアプリは、視覚障害者が「瞬間的な感動を残す手段」が限られている現状に着目し、そこに新たな道を切り開くことを目指しています。多くの現行のSNSやツールが視覚優位で構成されている中、音だけで感動を共有する手段は非常に限られています。そこで、視覚障害者との協働により、誰もが使える音のカメラを開発しました。
「撮影」ではなく「撮音」という新しい概念を提案することで、視覚に頼らずに感情を表現する手段を提供し、日常の中にある感動を誰もが楽しむことができる世界を実現しています。
veerncaとは
veernca(ヴィアンカ)は、障害の有無にかかわらず、多様性を受け入れたインクルーシブなチームです。このチームは、障害に対する偏見をなくし、障害がもたらす「価値」や「強み」を活かす商品開発に取り組んでいます。特に、障害をテーマにしたワークショップを通じて結成されたことが背景にあります。これにより、障害を持つメンバーの経験や視点を積極的に取り入れた開発が行われています。
まとめ
『Sound Memory』の受賞は、音での記憶という新しいアプローチが、デザイン業界内外からの注目を促し、さらなるコミュニケーションの在り方を提示しています。視覚障害者がクリエイティブに自らの感情を表現できる機会を提供するだけでなく、全ての人々にとっての新しい体験を生み出すこの制作物が、今後どう広がっていくのかが非常に楽しみです。音の記録は、これまでとは違った視点で日常の何気ない瞬間を特別なものに変えてくれるでしょう。ぜひ多くの方々に試していただき、新しい感動体験を味わってみてほしいと思います。