医療相談の新しい形
2025-10-17 12:48:40

産婦人科オンラインが示した、返信時間と受診行動の関係性とは

産婦人科オンラインが示した新たな可能性



近年、情報通信技術の進化が医療分野にも多大な影響を与えています。その一環として、非同期型オンライン相談サービスが普及しています。特に産婦人科領域に特化した『産婦人科オンライン』は、その利便性から多くの利用者に支持されていますが、返信時間と病院受診行動の関係については、これまで明確にされていませんでした。今回はその点について、最近発表された研究結果を詳しく見ていきましょう。

研究の背景



この研究は、株式会社Kids Publicと日本医科大学の研究グループによって行われました。対象にされたのは、2021年7月から2023年6月までに行われた、産婦人科オンラインサービスに寄せられた7394件の相談データです。非同期型オンライン相談は、時間や場所を選ばずに専門家に相談できる一方、返信を待つ間に不安が募るという懸念も抱かれていました。例えば、患者が返信を待っている間に、必要と感じて病院を受診してしまう可能性もあるのではないか、またそれが満足度に影響を及ぼすのではないかと指摘されています。これに対し、本研究はその実態を分析しました。

研究方法



研究チームは、7394件のデータを基に、返信時間をいくつかのカテゴリーに分類しました。具体的には、0〜5時間、6〜11時間、12時間以上といった区分です。さらに、それぞれのカテゴリーによって、返信前に病院を受診した割合や、利用後の満足度を比較分析するという手法が取られました。このプロセスでは、利用者の年齢や相談内容など、他の要因が結果に影響を与えないよう配慮がなされています。

結果の概要



分析の結果、驚くべき事実が明らかになりました。返信時間が24時間以内であれば、返信時間の違いによって実際の病院受診率には有意な差が認められなかったのです。さらに、全体での満足度は実に99.5%に達し、返信内容が満足度に与える影響もほとんどないという結果となりました。この結果は、非同期型のオンライン相談が利用者にとって許容しやすいものであることを示しています。

研究の意義と展望



本研究の成果は、今後の非同期型オンライン相談サービスの設計に重要な指針を提供するものです。具体的には、「原則24時間以内に返信が届く」という内容を利用者に明確に伝えることで、利用者が安心して相談を続けられる環境を整えることができます。また、これにより不必要な病院受診を抑制することが期待されます。さらに、今後はどのような要因が満足度を左右するのかを、より詳細に分析する研究が進む見込みです。

まとめ



今回の研究は、非同期型のオンライン相談サービスにおける『返信時間』という重要な要素と利用者行動の間に関連性がないことを示しました。今後、このオンライン相談の形はさらに進化し、妊産婦や子どもたちの心身の健康に寄与していくことが期待されます。更なる研究が進むことで、より質の高い医療サービスの提供につながることでしょう。


画像1

関連リンク

サードペディア百科事典: 産婦人科オンライン 遠隔医療 Kids Public

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。