帝王切開瘢痕解消術
2025-04-15 16:06:51

新しい腹腔鏡下手術「Taurus T method」で帝王切開瘢痕症候群を解決

新しい腹腔鏡下手術「Taurus T method」の誕生



聖路加国際病院の女性総合診療部において、帝王切開瘢痕症候群(CSDi)に対する新しい腹腔鏡下手術「Taurus T method」が開発され、アメリカの生殖医学会誌「Fertility and Sterility」にその論文が掲載されました。この新たな術式は、従来の課題を解決する画期的な方法として注目を集めています。

帝王切開瘢痕症候群とは



帝王切開は現在、世界中で一般的な手術であり、日本でも出産の20~30%はこの手法で行われています。しかし、帝王切開を受けた一部の女性においては、子宮の内側に凹み(瘢痕)が形成されることがあります。この「へこみ」が原因で月経血や粘液が貯留し、不妊症や月経困難症を引き起こす「帝王切開瘢痕症候群」を発症することがあります。

「Taurus T method」の手法



この手術には、以下の3つの主要なステップがあります:

1. 子宮内の観察とマーキング
子宮鏡を用いて凹みを確認し、腹腔鏡からはその上端と下端を針でマーキングします。これにより、治療部位を正確に特定します。

2. Taurusサインの形成
子宮の内側から凹みを押し上げ、子宮を後方に曲げます。この際、針が開いて牡牛の角のような形状になることから「Taurusサイン」と呼ばれています。この状態で凹みがより明確に見えるようになります。

3. T字型の切除
次に、腹腔鏡を使用して、針でマーキングした位置に基づいて凹みのT字型切除を行います。これにより、病変部を正確かつ過不足なく取り除くことができるようになります。

医療界への影響



この新しい術式によって、凹みの切除が正確に行えるため、症状の再発率が低下し、過剰切除による流産や早産といったリスクを抑えることが期待されています。特に、周産期におけるリスク軽減は非常に重要であり、多くの女性にとって希望の光となるでしょう。

研究成果の発表



「Taurus T method」についての詳細な論文は、聖路加国際病院の医師である佐古悠輔氏と平田哲也氏によって執筆され、Fertility and Sterilityに掲載されました。論文の中では新しい手術の方法論やその有効性について詳しく説明されており、今後の医療現場における重要な一歩として位置付けられています。

お問い合わせ



この技術に関する詳細や取材、さらなる情報が必要な場合は、聖路加国際大学法人事務局広報課へご連絡ください。
〒104-0045 東京都中央区築地3-6-2
TEL:03-6226-6366
E-mail:[email protected]

帝王切開瘢痕症候群は多くの女性に影響を与えており、新たな解決策としての「Taurus T method」に注目が集まっています。今後のさらなる進展に目が離せません。


画像1

画像2

関連リンク

サードペディア百科事典: 聖路加国際病院 帝王切開 腹腔鏡下手術

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。