水素燃料航空機けん引車の試験運用開始
日本航空株式会社(JAL)と関連企業のチームは、国内初の水素燃料を使用する航空機けん引車の試験運用を東京・羽田空港にて開始しました。このプロジェクトは、東京都による「空港等におけるFCモビリティ早期実装化支援事業」に採択されたもので、JAL、JALUX、JALエアテック、そしてタジマモーターコーポレーションの4社が協力して進めています。
取り組みの背景
環境への配慮が求められる現在、航空業界も脱炭素化の取り組みを強化しています。この試験運用は、航空機地上支援車両の燃料電池利用を促進し、水素の需要を喚起することを目的としています。特に、今回導入される水素燃料電池機関を搭載した航空機けん引車は、既存のディーゼル型機を改造したもので、経済性や環境負荷の低減が期待されています。
試験運用について
試験運用は2025年8月から12月までの期間で実施される予定です。羽田空港での運用を通じて、車両性能や水素供給に関する多角的な検証を行うほか、得られた知見を東京都や他のパートナーとシェアし、今後の水素車両開発及び商用化に貢献します。毎週1度の水素充填が行われ、1回で最大約10kgの水素を充填し、約70kmの走行が可能です。
賛同の声
小池百合子東京都知事は、今回のプロジェクトが水素エネルギーの利用を高める先進的な試みであるとし、羽田空港での脱炭素化が東京から世界に向けた強いメッセージになると語りました。また、JALUXの河西社長や、日本航空の鳥取社長もそれぞれの立場からこの取り組みの意義を強調し、持続可能な社会へ向けた約束を表明しています。
水素航空機けん引車の概要
水素燃料を活用するこの航空機けん引車は、飛行機を自走できる位置まで移動させる重要な役割を担っています。特に、中型機や小型機の発着場での効率的な支援が期待されるため、環境に優しい選択肢の一つとなるでしょう。このプロジェクトは、航空業界の脱炭素化へ向けた新たなステップとして、規模の拡大や他の分野への応用が期待されています。
未来への足がかり
JALグループは、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指し、この水素プロジェクトを通じて新たな技術の開発を進めています。将来的には、商用の水素航空機やその他の水素利用技術がさらに発展し、持続可能な社会へ貢献することが期待されています。
今回の取り組みは、日本の航空業界における水素利用の新たな可能性を示すものといえるでしょう。今後も、JALグループがこの分野でのリーダーシップを発揮し、空港及び航空業界全体の脱炭素化に向けた進展を遂げることを期待しています。