養父市と日立の新たな取り組み
兵庫県養父市と株式会社日立製作所が連携し、高齢化社会における重要課題である認知症の早期発見と個々のウェルビーイングを高めるための「ヘルスケアチェックサービス」を提供開始しました。このサービスは、認知機能のチェックを通じて、孤立リスクの低減や個人の健康状態を理解・改善する支援を目的としています。
サービスの概要
養父市民を対象に、特に認知機能の状態を確認するためのWebサービスとして展開されるこのサービスは、マイナンバーカードを使用して本人確認ができる仕組みです。2023年6月20日より、一部の機能が市民に開放されています。
提供される主な機能は次の通りです。
1.
認知機能の気づきチェック:AIを活用した音声認識機能で認知機能をチェック。電話でのガイダンスに応じて回答し、自分の認知機能の状態を理解します。
2.
生活振り返りチェック:現在の生活状況を確認し、より良い生活のための指針を得るためのチェック機能が備わっています。
3.
個別アドバイス:AI分析に基づき、個人に適したアドバイスや社会参加の情報を提供し、つながりを作る手助けをします。
高齢化社会への対応
日本全体で認知症患者は増加の一途をたどっており、2030年には523万人に達すると予測されています。これに対策するための施策が急務となる中、養父市では『つながりで誰もが健康になるまちづくり』を掲げて取り組んでおり、社会とのつながりを大事にする『社会的処方』に基づく施策を強化しています。
また、日立との連携により、91.3%と高い保有率を誇るマイナンバーカードを活用して、市民向けのデジタルサービスを創出しています。これらのサービスを通じて、市民が自らの健康を管理し、地域社会と積極的に関わっていくことが期待されています。
未来への展望
今後、養父市と日立はこのサービスの機能をさらに充実させ、個々の生活スタイルに応じた提案を行うことを検討しているとのことです。目指すのは、デジタル技術を通じて高齢者が健康で豊かに生活し、地域共生社会が実現されることです。また、他の自治体においても今後の展開が期待されます。
この取り組みは、単なる技術の導入に留まらず、市民一人ひとりの生活向上に寄与することを目指す重要な施策です。地域社会の連携を強化しながら、高齢化への柔軟な対応を続けていく養父市と日立に、今後の動きに注目が集まります。