企業によるSDGsへの取り組みと消費者の評価
2025年に実施された「第6回企業版SDGs調査」において、トヨタ自動車が今なおトップの評価を受けていますが、その数値は前年より減少しました。この調査は、全国3万人の消費者から意見を集めたものであり、企業のSDGs取り組みに対する期待が高まる中、その期待に応えきれていない現状が浮き彫りになっています。
SDGs評価の現在の状況
調査の結果、トヨタは評価点が21.5点と、前年の23.6点から減少しています。具体的には、「本格的に取り組んでいる」との回答率が15.0%に低下し、逆に「少し取り組んでいる」という回答が増加する傾向が見られました。これは消費者が、企業に対してより高い取り組みを求めていることを示唆しています。
全体の平均でも同様の傾向が見られ、「本格的に取り組んでいる」のはわずか7.0%で、全体の20%にも満たないのです。これは、いかに企業がSDGsに注力しているかという期待と、その実態とのギャップがあることを物語っています。
高評価な企業ランキング
トヨタに次いで評価が高いのはサントリーで、21.0点を獲得。前年の16.9点から4.1点増加し、評価を大きく上げました。サントリーは、「本格的に取り組んでいる」との回答が15.6%に達し、トヨタを上回る数値を記録しています。
ユニクロは18.4点を獲得して3位に上昇しており、前年の17.4点からの成長が確認されました。これらの結果は、消費者の期待に応えるための企業の取り組みが実を結んでいることを示しています。
各SDGsゴールの評価
調査では、SDGsの17のゴールに関して企業がどのような取り組みを行っているのかも評価されました。「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」が最も高い評価を受けており、回答者の5.7%がこのゴールに対して企業が取り組んでいると認識しています。特に本田技研工業はその取り組みに対して15.4%の回答を集めており、注目されています。
実際、企業による具体的なSDGsへの取り組みは、消費者からの評価を高めるための重要な要素であると理解できます。特に「気候変動に具体的な対策を」は評価に与える影響が強く、他のゴールにもその影響が及んでいます。
「気候変動への対策」が評価に大きな影響を及ぼしている現状から、企業はこのテーマへの具体的な取り組みをより強化する必要があるでしょう。このように、各企業の取り組みが消費者の評価にどのように結びつくかを理解することは、今後の企業戦略にとって欠かせない要素となるでしょう。
感情的な影響も
SDGsに向けた企業の取り組みは、消費者からの好感度や就職意欲、投資意欲にも影響を与えています。「5.ジェンダー平等を実現しよう」は特に好感度や投資意欲へ大きな影響を持ち、「2.飢餓をゼロに」と「8.働きがいも、経済成長も」も評価されるテーマとなっています。企業は、SDGsの内容によって様々な評価を受ける可能性があることを認識しておく必要があります。
結論
調査結果を通じて、企業がSDGsへの取り組みを強化する重要性が示されました。消費者の期待は高く、具体的なアクションを通じて信頼を得ることが求められています。これからの企業は、消費者の声に敏感であることが、企業の持続可能性と成長につながる鍵となるでしょう。