2025年5月の賃料動向
2025年5月に発表されたLIFULL HOME'Sマーケットレポートによれば、日本の賃貸市場は引き続き賃料の上昇を見せています。特にシングル向けとファミリー向け物件において明確な傾向が見られ、各エリアでの詳細に迫ります。
シングル向き賃貸物件
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)のシングル向け賃貸物件の平均賃料は84,133円で、前年同月比で6.1%の上昇を記録しました。一方、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)でも60,539円という賃料が市場に出回り、前年同月比で5.2%の上昇を示しています。特に近畿圏では2021年2月の計測開始以来、過去最高の賃料が更新されるなど、注目に値します。
例年、賃貸物件の賃料は引越しシーズンの1月から3月にかけて上昇後、横ばいか少し下落する傾向があります。しかし、今年の近畿圏においては、引越しシーズン中でも賃料が上昇し続けています。特に大阪府では6か月連続の上昇となっており、5月時点での賃料は64,368円(前年同月比106.6%)となりました。
福岡市では賃料が64,716円で、前年同月比で11.2%上昇。地方都市の中でも高い水準をキープしていますが、反響賃料は95,617円に留まっていて、物価高の影響を色濃く感じさせます。
ファミリー向き賃貸物件
次に、ファミリー向け賃貸物件の状況を見てみましょう。首都圏は137,794円で前年同月比104.8%の上昇、近畿圏も86,373円で103.3%の上昇を記録しています。これらの数字は、どちらも過去最高賃料に迫るものです。
特に首都圏では、東京23区の中でも都心6区を除いた「23区その他」で賃料が207,305円(前年同月比110.6%)に達しており、賃料上昇の牽引力となっています。近畿圏でも大阪市の中心6区を除いた「大阪市その他区」で97,388円(前年同月比113.5%)と、特に顕著な上昇を見せています。このように、都心周辺でのファミリー向け物件のニーズが高まっていることが分かります。
利用者の反響について
ただし、賃料が上昇しているにもかかわらず、反響賃料は576円の前年同月比で99.3%にとどまり、物価高や生活費の上昇に影響されていることが読み取れます。このことから、多くの利用者が購入を控えざるを得ない状況が考えられます。物価高の影響が普段の暮らしに及んでよくわかりますね。
今後の展望
今後の賃料動向については、引き続き注視が必要です。LIFULL HOME'Sでは、月次ごとに機会に応じたデータを提供しているため、賃貸市場の動向をリアルタイムで把握していくために活用してみる価値があります。
詳細なデータや分析に興味がある方は、公式サイトを通じてLIFULL HOME'S PRESSやマーケットレポートの購入もお勧めです。最新の情報を元に、皆さんも賃貸物件選びや市場のトレンドを掴んでみてはいかがでしょうか。