VENTURASとバングラデシュの大学がつなぐ新たなキャリアの扉
日本のIT市場が直面している人材不足に対抗するため、株式会社VENTURAS(ベンチュラス)は新たな一歩を踏み出しました。彼らは2025年11月に、バングラデシュの2つの主要大学、Chittagong University of Engineering & Technology(CUET)とDaffodil International University(DIU)との間で、キャリア形成支援に関する覚書(MOU)を締結しました。この提携により、日本企業とバングラデシュの若手ITエンジニアとの架け橋がさらに強化され、その可能性は広がります。
提携の背景と課題
日本国内では、2030年までに最大79万人のIT人材が不足する見込みです。一方で、バングラデシュは毎年数万人のITエンジニアを輩出しており、彼らの技術力や英語力は国際的にも評価されています。VENTURASは2018年に事業を開始し、これまでにも多くの大学と連携してきましたが、新たにCUETとDIUを仲間に加えることで、採用対象となる候補者層が格段に広がります。これにより、日本企業は多様なニーズに応じた人材を探すことができ、また学生たちにも「日本で働く」という現実的なキャリアの選択肢が提供されます。
本提携では、CUETの優秀な工学系学生と、DIUの大規模IT系学生にターゲットを絞り、両大学が日本市場に適した教育を施す体制を整えています。これにより、学生たちは在学中から日本でのキャリアを具体的に見据えた準備が可能となります。
大学紹介
Chittagong University of Engineering & Technology (CUET)
CUETは、バングラデシュ第2の都市チッタゴンにある公立工科大学で、全国でもトップクラスの工学教育を提供しています。その入学試験は非常に厳格で、毎年約16,000人が受験し、合格者は1,000人に満たないという高い競争を誇ります。特にコンピュータ科学工学(CSE)は、毎年限られた人数しか受け入れておらず、その技術力は産業界からも高く評価されています。
Daffodil International University (DIU)
DIUは約22,000人の学生が在籍するバングラデシュ最大級の私立大学で、特にIT・工学分野での就学者が多い大学です。近年は国際大学ランキングでも順位を上げ、実務教育カリキュラムの充実が注目を集めています。DIUでは、学生が実践的なスキルを身に付けるための環境が整備されており、成長著しい大学として知られています。
今後の取り組み
この協定では、学生向けに日本語教育プログラムを実施し、日本企業からのキャリアガイダンスを行います。さらに、模擬面接や技術ワークショップの開催など、実践的な支援も行います。これにより、学生たちは自信を持って日本の企業に挑む準備が整うことになるでしょう。
代表者のコメント
CUETの学長、Dr. Mahmud Abdul Matin Bhuiyan氏は「この協力により、学生たちがより多くの国際的な成長の機会を得られることを期待しています」と語っています。また、DIUの学長Prof. Dr. M. R. Kabir氏も、「日本企業との接続が公式に整うことで、学生たちがグローバルキャリアを目指す自信が持てるようになる」と述べています。
VENTURASの代表、上田代里子氏は「CUETとDIUとの連携により、多様な学生層が日本で活躍する機会を広げていきたい」と抱負を語ります。
VENTURASの未来
VENTURASは2015年に設立され、バングラデシュでの教育改革とキャリア支援の先駆けとして知られています。今後も日本とバングラデシュの架け橋となるべく、ICT人材の育成に力を入れていくでしょう。この新たな提携を通じて、両国の人材交流がさらに活発になることが期待されています。