日本暗号資産業界の未来を見据えたセキュリティガイドブック作成開始
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、暗号資産の管理において重要な役割を果たす「セキュリティガイドブック(仮称)」の作成に向けたワーキンググループ(WG)を設立しました。このワーキンググループは、取締役である土田真也氏が座長を務め、多様なメンバーが参加しています。
ガイドブック作成の必要性
暗号資産やブロックチェーン業界の発展を受けて、セキュリティの高度化は業界全体にとって必須の課題とされています。特に昨年、国内の暗号資産交換業者で発生した大規模な流出事件は、業界の脆弱性を浮き彫りにしました。そのため、JCBAはセキュリティの強化に向けた取り組みを進めており、業界全体のサイバーセキュリティを高めるためにJPCrypto-ISACを創設。暗号資産交換業者のみにとどまらず、NFTやステーブルコイン、セキュリティトークンなど、さまざまなWeb3関連サービスに関わる事業者についても、リスク管理の重要性が増しています。
WGの活動内容
新設されたWGでは、暗号資産交換業者以外のWeb3関連サービス事業者が直面するセキュリティの課題にも焦点を当てていきます。各種サービスに対応したセキュリティの情報を整理し、事業者だけでなく一般ユーザーにも有益な情報を提供することを目指しています。この取り組みは企業の事業検討を支援し、最終的には業界全体のセキュリティ水準の向上を図るものです。
WGメンバー紹介
ワーキンググループのメンバーは、次のような顔ぶれが揃っています。
- - 座長: 土田真也(株式会社Next Finance Tech 代表取締役)
- - 副座長: 藤本賢慈(株式会社Ginco 情報セキュリティ室)
- - メンバー: 松岡慧(JPYC株式会社 執行役員)、栗原佳輝(株式会社Next Finance Tech)、須田真由(PwC Japan)、皆本祥男(Vlightup株式会社)、神田隆(株式会社マーキュリー)、先崎良美(株式会社マネーパートナーズソリューションズ)、大矢倫靖(楽天ウォレット株式会社)。
これらの専門家たちが集まり、業界における実践的なセキュリティ対策を協議し、高度なガイドブックを作成していきます。
座長からのコメント
座長の土田氏は、日本国内で進展する暗号資産の規制整備を背景に、業界全体のセキュリティ水準を向上させることが急務であると語っています。暗号資産の利用促進を図るためには、参入事業者の増加や過去の事件を踏まえた実質的な対策が求められています。今後、他団体や学術機関とも連携しながら、暗号資産及びWeb3関連サービスの安全性向上を図っていくとされています。
JCBAの役割と目的
JCBAは、暗号資産やブロックチェーン関連のビジネスにおける知見の共有、業界の課題解決を目指しています。会員企業は現在150社以上で、Web3関連の事業者やシステム・セキュリティ関連の企業が含まれています。定期的な勉強会や提言活動を通じて、業界の健全な発展に寄与しています。今後もセキュリティガイドブックの策定を通じて、業界全体のセキュリティを底上げし、持続可能な成長を実現していく方針です。
暗号資産業界の未来を見据えた本ガイドブックの策定が、業界全体に新たな価値をもたらすことを期待しています。