関西エアポートが大阪・関西万博へ向け進化中!
関西の空の玄関口である関西国際空港(以下、関空)。大阪・関西万博に向け、「ファーストパビリオン」としての役割を担う同空港が、どのように進化を遂げているのかを探ります。今回はそのリーダーである、関西エアポート株式会社の社長、山谷佳之氏に焦点を当て、彼の挑戦と未来の構想に迫ります。
リーダーの哲学と成り立ち
山谷氏は1956年に生まれ、大阪府吹田市で育成されました。彼は1970年の大阪万博に何度も足を運んだ“万博少年”でもあります。神戸大学の農学部を卒業後、オリックスの前身であるオリエンタル・リースに入社し、営業や企画の部署を経て、2002年にはオリックス信託銀行の社長に就任しました。
そんな山谷氏は、オリックス時代に経験した阪神淡路大震災がその後の経営理念に大きな影響を与えました。“がんばろうKOBE”のスローガンの下で、オリックスは地元の人々とともに希望を見出し、震災を乗り越えていきました。この経験が、彼の壮大な挑戦を支えています。
関西エアポートの誕生と発展
2016年に設立された関西エアポートは、国、地方自治体、そして民間が共同出資したプロジェクトです。しかし、初期には創業赤字が続き、民営化が避けられない状況に。しかし、オリックスがヴァンシ・エアポートと提携したことにより、関西エアポートが誕生することとなりました。
山谷氏の就任から3年後、関空は台風21号に直撃され、大きな被害を被ります。これを契機に、彼は防災工事や新たな事業継続策を強化。さらに、新型コロナウイルスの影響を受けた際には、非接触型のゲートを設置した取り組みも、まさに時を同じくして価値を生み出しました。
驚異的なリノベーション
COVID-19が収束に向かう中、2024年には外国人旅客数が最高記録を更新しました。これに伴い、関空は進化を続けており、特に離発着数が1時間あたり15本増加したのは大きな成果です。
春には第一ターミナルが大リニューアルし、VIP導線や万博に向けたセキュリティ対策の強化が行われました。そのラウンジの全貌は、山谷氏自身のこだわりを反映しており、関空の新たな価値を生み出しています。
環境への取り組み
関空の発展は、単に施設の充実だけではありません。特に、温室効果ガス削減の観点からも取り組んでおり、大阪・堺に誕生した大規模製造プラントはその象徴です。この工場は、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指す上で重要な役割を果たします。
未来に向けて
関西エアポートは、単なる空港ではなく、未来の「ファーストパビリオン」として進化を続けています。山谷佳之氏のリーダーシップと挑戦が、関西地域全体に新しい風を吹き込んでいるのです。今後の展開から目が離せません。