土を再生する新共同モデルが目指す持続可能な未来とは

愛媛県名取で進行中の「土の再生」プロジェクト

愛媛県西宇和郡伊方町名取地区。ここで、ユウギボウシ愛媛という農家が地域の農業を持続可能なものにするための新しい挑戦を行っています。このプロジェクトは、農家、大学、専門家が力を合わせ、剪定枝をバイオ炭に加工し、土壌に炭素を戻すことで、地球環境への影響を軽減することを目的としています。

プロジェクトの背景

名取地区は、海と山に囲まれた美しい自然環境に恵まれていますが、近年は農業に関する様々な課題が浮上しています。耕作放棄地の増加、土壌の劣化、高齢化に伴う労働力不足などがその例です。ユウギボウシ愛媛は、これらの問題を解決するために、農薬や肥料を使用しないリジェネラティブ農業を実践しています。しかし、それだけでは持続可能な未来を確保するには不十分だと認識し、ゼロカーボン農業へのシフトを決定しました。

再生する土と地域

「土を再生し、地域の未来をつくる」という理念のもと、ユウギボウシ愛媛は、剪定枝や間伐材を利用したバイオ炭製造の技術を導入しました。このプロセスでは、木材の未活用部分を活かし、バイオ炭の製造を通じて地中に炭素を長期固定します。これにより、土壌の質を改善し、農地の生産性を回復させることが期待されています。

この取り組みは、ただ単に土壌を再生するだけでなく、地域の資源を循環させることで新しい農業の形を作り上げ、地域の再生にもつながるものです。私たちは、未来の世代に対して豊かな土壌と美しい景観を残すことに努めています。

エコプロ2025での発表

この革新的な取り組みは国内最大級の環境展示会「エコプロ2025」に参加することで、さらに多くの人々に広めていく計画です。2015年12月10日から12日まで、東京ビッグサイトで行われるこのイベントでは、名取発のゼロカーボン農業モデルを具体的に展示し、実際の施用方法や成果を公開予定です。

取り組みの詳細

1. 名取モデルの実践: 剪定枝や間伐材を使って土壌に持続可能な炭素を戻す方法を詳しく紹介します。
2. 製炭炉とバイオ炭技術: 高槻バイオチャーエネルギー研究所の先進的な製炭炉の実物を通じて、技術の詳細を展現します。
3. 農家主体の実践方法: ユウギボウシ愛媛が実施している製炭・施用・草生栽培を通じた土壌再生の実践を紹介します。
4. 科学的検証: 茨城大学との協力による、土壌分析や炭素貯留の科学的データを発表し、農業の透明性を高めます。
5. RegeneTerroirの紹介: 新しい土壌価値の概念を提示し、環境問題への取り組みと地域の生態系の再生を同時に進めます。

環境問題に対する未来のビジョン

ユウギボウシ愛媛は、農家と専門家が協力し、持続可能な農業の未来を模索しています。小松崎将一教授の監督下で土壌の分析と炭素貯留量の測定を行い、実践を科学的に裏付けています。また、地域資源の循環システムを設計し、地域の生態系の再生を目指す役割を担っています。

私たちは、「土の再生」が地域の再生と地球温暖化の解決に対していかに重要であるかを示し、名取の小さな村から広がる影響力を信じています。未来のために、土から始めるその一歩を、名取から。私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。