台湾と日本でのETF相互上場
2025年9月19日、台湾証券取引所(TWSE)が日本の東京証券取引所(TSE)と初のクロスボーダーETFを上場したことを発表しました。この相互上場は、両国の金融協力において新たな章を開く重要な出来事です。
台湾では、野村アセットマネジメントが提供する「NEXT FUNDS – Nomura TOPIX Feeder ETF」が台湾証券取引所に上場しました。これは、アジア最大の運用資産残高を誇る「NEXT FUNDS TOPIX 連動型上場投信」に関連し、日本の個人投資家にとって魅力的な商品です。新NISA制度の成長投資枠対象商品として、投資家に新たな機会を提供します。
一方、日本では、「NEXT FUNDS TIP FactSet 台湾イノベイティブ・テクノロジー50指数連動型上場投信」が東京証券取引所に上場。台湾のテクノロジー業界を反映した指標であり、人工知能や半導体関連の企業が多く含まれています。また、台湾の主要株価指数は2020年から2倍以上に上昇し、最近では過去最高値を更新しました。
相互上場の意義
TWSEの林修銘取締役会長は、この相互上場が日台の金融協力における新たな記念碑であると強調しました。「市場の信頼性向上とイノベーションへの台湾のコミットメントを示すものです」と述べています。さらに、東京証券取引所の岩永社長も、両地の資本市場をアジアの金融エコシステムにおける重要なパートナーとして位置づける意義を語りました。
上場を祝うセレモニーは、台湾と東京の両地で同時に行われ、さまざまな金融機関の代表者が出席しました。このイベントは、投資家の間で新たな金融商品への関心を促進し、両国の市場の相互接続をさらに強化することが期待されています。
金融市場の未来
今後、台湾の金融監督管理委員会の陳彥良副主任委員は、台湾の地域における金融の役割を再確認しています。「この取り組みは、アジアの資産運用における台湾のプレゼンスを強化する重要な一歩です」と語りました。相互上場によって、日台両市場の投資家は多様なポートフォリオを構築する機会を得ることになります。
また、日本のNISA制度も注目されており、個人投資家の裾野拡大に寄与しています。台湾の資本市場は、今後も持続可能な成長を目指し、クロスボーダー投資の重要性を一層強化していくでしょう。
まとめ
今回の相互上場は、日台の金融協力の新たなステージを示し、アジアの資産運用分野での台湾の役割を強化することとなります。両国の投資家にとっても、より豊かな投資環境が提供されることが期待されています。今後の市場動向を注視していきたいものです。