環境NGOが非鉄大手を批判、海底資源開発を巡る国際法違反の懸念

環境NGOが非鉄大手を批判、深海資源開発の懸念



2025年7月28日、東京都に拠点を置く特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)及び認定NPO法人FoE Japanが、国際的な環境問題における重要な声明を発表しました。彼らは、日本の非鉄大手企業である大平洋金属株式会社(PAMCO社)に対し、先日送付した質問状に対する同社の回答を受け、国際社会を軽視した姿勢を強く批判しました。

深海鉱物資源に関する国際法



日本は国連海洋法条約(UNCLOS)を批准しており、これにより深海における鉱物資源の開発は国際海底機構(ISA)によって厳しく規制されています。特に、公海での鉱物資源開発は、海底の資源を適正に管理するために設定された国際法の枠組みに従うことが求められています。しかし、米国は独自の大統領令により、これらの国際規定を無視し、自国の企業に許可を与えるなど、国際法を軽視する行動を見せています。

具体的には、アメリカのトランプ政権が発行した大統領令に基づき、TMC社が商業鉱物資源の開発を進めるという行動が強く非難されています。このような行為は、ISAを正当に利用しなかったため、国際法に明白に違反している可能性が高いとされています。

PAMCO社の立場と国際社会の反応



PAMCO社は、TMC社とのパートナーシップを通じて深海鉱物ノジュールの精錬技術を開発してきましたが、環境NGOによる質問状への回答において、TMC社の行動が国際法に反するものだとは認識していないとしています。これに対し、国際社会、特にISAの見解は異なり、国際法を軽視する態度への非難の声が高まっています。

ISAのレティシア・カルバーロ事務総長は、「深海底における鉱物資源に所有権を主張することはできない」と発言しており、PAMCO社を含む関係者は国際社会の合意を考慮すべきとされています。このような事情からも、PAMCO社の国際的な評判は低下していくリスクに直面しています。

環境への影響と日本の責任



国際環境NGOのメンバーは、TMC社による深海鉱物資源開発が海洋環境に甚大な影響をもたらすと警告しています。特に、漁業への直接的な影響や、先住民族の権利を侵害する可能性が示唆されています。さらに、日本は「深海底鉱業暫定措置法」を持つにもかかわらず、国際法に則った行動を取らない場合、国際的な制裁を受けるリスクが存在します。

国際貿易の緊張が高まる中で、鉱物サプライチェーンにおける日本の評価が損なわれることは、電気電子産業や自動車産業といった国の基幹産業に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。

まとめ



環境NGOの取り組みにより、国際的な環境問題がより強く認識されるようになっています。PAMCO社を含む企業は、国際法や環境への責任を真摯に受け止め、持続可能な開発に向けた対応が求められます。これは企業の社会的責任だけでなく、地球全体の未来に関わる重大な問題です。国際社会との連携を強め、環境保全に寄与する姿勢を持つことが、今後ますます重要になります。

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